ふるさと納税還元率(ブログ3143)
- 2023年02月19日
ふるさと納税が熱狂気味になっています。
ふるさと納税は、地方税法に基づき、応援したい自治体に寄付を行うと、2,000円を超える分が、在住している自治体の住民税などから控除されるシステムで、寄付を受けた自治体からは寄付の30%(3割)に相当する額の返礼品が贈られてきます。
その結果、各自治体は寄付を得るために返礼品を競うことになりました。
総務省は、返礼品は地場産品である事、「さとふる」や「ふるナビ」などの仲介サイトへの手数料や広告費、送料などを含めて49%(5割)以下になるように通知を出しましたが、この5割基準を守らない自治体が21年度では138自治体に上ります。
各自治体を調べた「ふるさと納税還元率」のランキングのベスト5で、1位は福島県福智町の108.9%(肉)、続いて宮崎県都城市107.6%(肉)、高知県四万十市103.2%(海鮮)、鹿児島県志布志市100%(肉)、佐賀県伊万里市100%(肉)、この他に80%、90%の自治体が目白押しです。
総務省によると全国1,786(北方領土6村を除く)全ての都道府県・市町村が参加し、21年度の寄付総額は8,302億円となっています。
北海道の紋別市は返礼品のホタテやカニが人気となり、21年度の寄付金が152億9,700万円に上り、全国1位となりました。
23年度の紋別市の予算案は一般会計402億4,500万円のうち、ふるさと納税分の収入として196億6,600万円分を見込みました。
収入の約半分を、ふるさと納税という「他力本願」に依存するという財政のあり方は、いかがなものかと思います。
寄付がいつまでも続く補償はありません。本来の徴税による自治体運営を地道に追求し、ふるさと納税分は過年度に自治体財政の負担にならない支出に充てることを考え、20年30年先を見据えたまちづくりを整えるべきです。
それにしても、「ふるさと納税」は、いびつな税制だと思います。