ウィルス拡大は人災か
- 2020年02月17日
海外メディアも関心を持って取り上げている新型コロナウィルスの感染拡大ですが、多くの海外メディアが日本政府のダイヤモンド・プリンセス号の乗客に対する対応について、「感染拡大の第2の震源地を日本が作った。」と批判しています。
米国は、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の内、米国国籍の約400人をチャーター機で本国へ送還させることにしていますし、この例にならってカナダ、香港、イタリア、台湾、オーストラリア、も同様の措置を執ることにしたようです。
ハフィントン・ポストでは昨日「日本政府の対応に米メディアから批判相次ぐ」と題して、次のように掲載しています。
<・タイム紙は「乗員・乗客3711人のうち約6%の220人以上が感染しているこのクルーズ船は世界中のどこよりもコロナウィルスの感染率が高い。」と指摘。
(16日時点では、乗員・乗客355人が感染しており、約9.6%となっている)
・ABCニュースは「クルーズ船の検疫は、利益よりも害をもたらしているのではないかと疑問視する専門家もいる。」と指摘し、「日本の港で感染の第2の震源地が作り出されている懸念がある。」と報道。
・ニューヨークタイムズは「乗客は多くの疑問を持っているが、日本はほとんど回答が無い」と題し、「日本が情報発信に消極的なため、新型コロナウィルスを巡る状況を悪化させている。」、「日本政府の対応は、公衆衛生の危機対応で“こうしてはいけません”という教科書の見本のような対応」だと評し、「日本の当局は、見通しがないまま疫学的な課題に当たっているため、自分たちの考えていることを十分に説明できていない。日本政府の広報戦略に対する信頼は損なわれ、噂や憶測が広がっている。」と批判する評論家の言葉を紹介している。>との内容です。
また、舛添要一氏は「都内感染者は14人(16日時点で19人)、4人のタクシー運転手、屋形船関係者以外の一人は40代の男性、この運転手は営業をしていただろうし、40代の男性も発熱しているのに新幹線で愛知県に出張、もはや接触者を探すことさえ無理であり、無駄である。今後、ねずみ算式に増えるだろう。危機管理の敵は霞ヶ関の縄張り争いだ。クルーズ船の管轄は国交省、ウィルスは厚労省、調整の不備がクルーズ船を『ウィルス培養シャーレー』にした。今のお友達内閣では大臣同士で真剣勝負をする気迫が無い」と批判しています。 ハフィントン・ポストも舛添要一氏も的を得た評価だろうと思います。
先のブログにも書きましたが、政府が1日の検査を300件から1100件にすることで努力しているとは言えません。
「ロシュ社」は数万件の「タカラバイオ社」では、25万件の検査試薬を製造可能としていますし、この試薬による検査は全国の医療機関で簡単に行えると言われていますが、政府は積極的に行おうともせず、感染の情報を公開しようともしていません。
全ては、オリンピックへの風評を避けるためとしか思えず、そのために国民や外国人を犠牲にしてもいいわけがありません。
日刊ゲンダイは<森喜朗東京オリンピック組織委員会会長とIOCのジョン・コーツ調整委員長が会談をし、コーツ氏が「日本の公衆衛生当局を信頼している」とか、「WHO世界保健機構からも中止や延期は不要だと伝えられている。」と話したと言われていますが、肝心のWHOは「何の助言もしていない」と否定し、「WHOは現時点で詳しい協議は行っておらず、何の結論にも達していない。」と見解を述べています。
逆にWHOの非常勤顧問を務める感染症の権威であるアイラ・ロンジーニ(米国フロリダ大感染病統計研究所所長は、世界の感染者は数十億人に達する可能性があると試算し、香港大学のガブリエル・レオン公衆衛生学教授も、世界の3分の2近くが感染する恐れがあると警鐘を鳴らしています。この推計を日本に「当てはめると、感染者は8200万人に及ぶ>という内容の記事を掲載しています。
政府や組織委員会は、これ以上感染者数が増えることを公表されるのを避けるために、対応を遅らせているとしか思えません。
オリンピックへの影響を最小限にしたいとの思いが初動対応を遅らせ、それが足かせとなって場当たり的な対応しか行えず、感染者数や死者数が日々積み重なっているのだとしたら、これは人災でもあり、政府の責任者である安倍晋三は万死に値します。