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ヤジと民主主義(ブログ3455)

  • 2024年01月14日

 今日、地元の映画館「シネマアイリス」で上映された、「ヤジと民主主義」を見てきました。内容は、2019年7月15に自民党参議院議員選挙で候補の応援に来札した安倍氏が、札幌駅前と大通公園で演説をしているときに「安倍やめろー!」と大きな声を出した大杉雅栄氏と、「消費税ハンターイ」と叫んだ桜井希生さんが警察に強制排除された事件を取り上げ、取材を続けていたHBCの取材責任者である「山崎裕侍氏」が、これまでの映像に新たな映像を加えて監督したもので、事件の詳細を多角的な映像から検証し、併せて、裁判の流れや、この国での「民主主義」とはなにかと問いかけるものでした。

 終了後には、山崎監督のトークショーも行われ、映画の反響や今後の取組などが話されました。

 シネマアイリスは座席数50~60席の映画館ですが、どちらかというと社会派的な映像を得意としており、私も折に触れて見たい映画を鑑賞に行きます。

 今日は、いつになく(失礼)座席も8割ほど埋まっており、この映画への関心の高さと監督のトークを楽しみに来た方が多かったと思います。

 この事件につきましては、当時、道議会でも取り上げられましたが、道警は事件後の調査を理由に詳細のコメントを避け、訴訟になってからは、「係争中でもあり、発言を控える」と、ほとんど何も説明しないままとなっています。

 裁判は、1審の札幌地裁では、22年3月に「原告らの表現の自由が侵害された」という主張を認めて「道」に賠償を命じましたが、被告の道は不服として控訴しました。

 その後、23年6月の高裁判決で大竹優子裁判長は、桜井希生さんについて「警察官が女性の原告を排除した行為について、『囲んで移動させたり、群衆エリアに行かないよう引き留めたりしたほか、その後も長時間にわたってつきまとったのは、警察官職務執行法の要件を満たさず、違法だ』と指摘」して1審判決の無罪と55万円の賠償を支持しましたが、一方で、大杉雅栄氏については「ヤジを飛ばして隣にいた群衆といさかいになったほか、その後も、演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観性合理性が認められる」として1審判決を取り消し逆転敗訴としました。

 改めて私が映像を見る限り、裁判長が二人の判決を分けた理由がよく理解できません。

 また、「ヤジ」と言うことで片付けられていますが、表現の自由がある日本では「意見の主張」であり、誰でもが行使できる権利では無いかと思います。

 この事案は、双方が最高裁に上告しても、多分「差し戻し・棄却」として最高裁では判断しないのでは無いかと想定します。改めて、鈴木知事、道警本部長と公安委員長にその見解を聞いてみたいものだと思います。


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