万博は中止にしては(ブログ3326)
- 2023年09月04日
大阪万博が危機的な状況になってしまいそうです。
すでに指摘されているように、建設業界の人手不足と相まって人件費の高騰、さらに原材料・資材の高騰で、参加国もゼネコンも腰がひけており、建設に必要な申請や工事契約も遅々として進んでいません。
開き直った橋下元知事は、「万博が始まった後も工事を行っていることは珍しくないこと」と話していますが、果たしてそうでしょうか。
展示品が整っていないのに、前売り券も含めた正規価格で入場させるというのは詐欺と同じです。
そのことに何の思いも及ばないのは、これまでの維新政治を見れば分かることではないでしょうか。
身を切る改革と言って保健所や病院を統廃合、その結果コロナ死者数が全国でダントツの1位。
橋下氏は「無症状者は検査の必要が無い」と大口を叩き、吉村知事は「コロナにはイソジンが効果的」と何の科学的根拠も無く流言を繰り返し、松井前大阪市長は「手術着が足りなくなったから雨合羽を集める」など、その場対応のメチャクチャな話をしていました。
それを、「おもろいやっちゃあ」で済ませるという大阪の地域性。
結果、生活保護率はも全国でダントツ1位となっています。
その失敗を大規模イベントで糊塗してしまおうと大阪万博を声高に叫んでいましたが、ここに至っては、打つ手が無くなり、同じ中身の空っぽな「空岸:からっきし」の岸田氏に泣きつき、政府の関与を強めてもらう約束を取り付けました。
大阪万博の事務局を担う「日本国際博覧会協会」のメンバーには、政府の役人の出向と経済界の重鎮が顔をそろえていますが、大型イベントの準備や運営は全くの素人。
東京五輪がらみの事件で、大型イベントを仕切る「電通」が関与出来ない事からなのか、肝心のパビリオンが建設出来ないだけでは無く、電車やアクセスの準備も不十分、全て統括的に機能していない状況に思えます。
政府がいくら肝いりをしても、労働力を確保できない以上、モノは出来上がりません。
その結果は、開催時期の延期なのでしょうか。
21年5月1日、2030年の次期の開催国としてロシアのモスクワが立候補を表明しましたが、今のロシア・ウクライナ戦争の状況では開催は出来ないでしょう。
それらの状況を踏まえれば、時間は十分にありそうです。25年4月にはこだわらなくても良いかも知れません。
それにしても、大型イベントに頼った経済の浮揚効果などは、まさしく「昭和」の発想と言えます。札幌五輪も、その発想から抜け出しませんか。