人権意識が欠落している大臣
- 2016年11月14日
鶴保庸介沖縄・北方担当相が、参議院内閣委員会において、沖縄県高雄のヘリパッド工事周辺で警備に当たっていた大阪府警の機動隊員が、抗議行動中の住民達に「土人」などと発言した問題に対し、「『土人である』ということが差別であるとは断定できない」、「言論の自由は誰にでもある」、「現在、差別用語とされるようなものでも、過去には流布していたものがたくさんある」と話されたことが新聞に掲載されていました。
10月18日に機動隊員が発した「土人」発言の直後、鶴保担当相は「このタイミングで、これは間違っていますよとかいう立場にはない」と発言しました。
このタイミングから3週間近く経過した11月8日の発言もまた、全く意識が変わっておりません。
「土人」とは「土着の人間、転じて野蛮、未開の生活形態を残す先住民族を指す。」
これはウィキペディアに掲載されている「土人」の言葉の意味です。
沖縄の県民は野蛮なのでしょうか?未開の生活形態を残しているのでしょうか?
沖縄県翁長知事は「言語道断だ。到底許されるものではなく、強い憤りを感じている」と記者団に話しましたが、私は鶴保担当相の根底に大きな差別意識が有り、それがいつも頭の中に有るのではないかと、大臣の資質に無い方だと思っています。
「土人」という用語はまさしく差別用語であり、「差別であるとは断定できない」のではなく、「断定したくない」のだと思います。
「言論の自由は誰にでもある」とも言いましたが、仮にも一国の大臣が自国の国民に対し、「土人」と言ったのは言論の自由だと擁護すること自体、この大臣に人権意識が無いことを如実に表しています。
そして、「現在、差別用語とされるようなものでも、過去には流布していたものがたくさんある」とも発言しましたが、語るに落ちるとはこのことで、現在では差別用語であることを認めてしまった上で、過去の事を話されました。
当然過去には人権教育にあまり重点が置かれず、従って人権意識が今より低かった時期がありますが、そのことを免罪符にすることにはなりません。
これが、沖縄・北方担当相の姿です。
少なくてもこの方を沖縄担当に任命した、安倍晋三も同じように思っているのでしょう。