国が株に手を染める
- 2016年01月25日
135兆円もの年金試算を運用するGPIF(独立行政法人:年金積立金管理運用機構)は、今まで、その運用に関わる株式売買についてを民間の信託銀行などに委託していましたが、この度、株式への直接投資という禁じ手を解禁することにしたそうです。
GPIFの年金運用資産額は約135兆円ですが、昨年、年金資産運用を国債から株へとシフトし、運用資産で国内、国外併せて約50%にも及ぶ株を購入するが出来るようになりました。
これだけでもハイリスク・ハイリターンの鉄火場に足を突っ込んだことになりますが、ご存じの通り、昨年末から今年にかけて株は暴落、昨年末だけで約8兆円、今年に入ってから約7兆円、計約15兆円もの年金資金が失われたことになります。
安倍晋三は、「長いスパンで見れば儲ける時も損する時もある。短絡的な結果だけで判断しないで欲しい」というような意味のコメントを発しましたが、実態は比較的安定した日本国債・海外国債の比率を少なくし、アベノミクスを継続するために株への比率を増加、株価を維持するために年金資金を流用しているということです。
しかも、今度は信託銀行への委託ではなく、国が直接投資、いわゆる株の売買に介入するというものです。
年金資金は厚労省の業務です。
厚労省は、医療、薬事、食品衛生、介護、福祉、労働などを司っています。
これらに関する情報は膨大で、ごこの会社が何を研究し、何をやろうとしているのか、労働者派遣などで、業界はどのような動きをするのかは、誰よりも早く適格に情報をキャッチします。
そうすれば、あらかじめどこの会社の株を買ったらいいか一目瞭然であり、国が率先してインサイダー取引を行うことと同じことになってしまいます。
また、国が大株主になって、会社経営に対する議決権を有することにもなります。
従って、これまで、国が直接株の取引を行うことを禁じていたはずです。
いったい、何を考えているのか?
安倍晋三の暴走はここにも大きく現れてきました。