国の機関が「私人」
- 2018年10月18日
防衛省が辺野古移設反対の沖縄県玉城知事に対し、対抗措置を執ることを発表しました。
安倍晋三氏が玉城知事と面談し、「沖縄県民に寄り添う」と心にもない薄っぺらな発言をしてから5日後のことです。
この方は、民意がどうであろうと「聞く耳持たず」、「戯言は捨て置け」とばかりに権力を押しつけて来ます。
それも行政不服審査法という本末転倒な手段でです。
行政不服審査法とは、「行政庁の処分、その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の不服申し立てについて規定する法律であり、不服の申し立てを行うものは私人とされています。しかし、例外として国の機関や地方公共団体が他の行政機関に対して不服の申し立てが出来る事になっていますが、これは基本的に国の行政機関と地方公共団体間のことを指すモノであり、国の機関が国の機関に不服の申し立てを行うと言うことを想定したものではありません。
にもかかわらず、防衛省が国交省に対し行政不服審査を申し立てたのです。
あり得ない手法で政府が動いたということは、政府には他の手だてが無くなっているとも伺えます。
そもそも、「公有水面埋立法」の規定上、国と私人は明確に区別され、今回は国が行う埋め立てであり、そのために「私人」に対する免許ではなく「承認」の手続きがなされたものであり、従って元知事が行った「埋め立て承認」を前知事が「承認撤回」の手続きを申し立て、現知事がそれを受け継いだものです。
前回、平成27年10月13日の承認取り消しの際も、沖縄防衛局は、国の一般行政機関であるにも関わらず、自らを国民と同じ「私人」であると主張して審査請求及び執行停止申し立てを行い、国交相は、防衛局の申し立て通りに約2週間で執行停止決定を行いました。
詭弁に詭弁を重ね、国民と沖縄県民を裏切り続ける安倍晋三氏、これからも地方の民意という民主主義を踏みにじりながら、「政権維持ファースト」で邁進するのでしょう。
アジアのトランプのように。