外国人観光客への対応
- 2018年09月21日
胆振東部地震の影響で、北海道観光に大きな課題が見つかりました。
9月6日の地震により、北海道全域で起きてしまった「ブラックアウト」、大都市札幌を中心に、観光客がホテルにも泊まれず、避難場所も分からず、水も食糧も手に入らず、交通網も遮断されている、頼りの情報も携帯電話のバッテリー切れで得ることが出来ないという事態の中に放り投げられたのです。
日本人観光客の場合、不安の中であっても言葉が通じますから、周りの関係者に聞いて自ら何をすればいいのかを考える事が出来ますが、外国人観光客の場合、地震の経験もなく言葉も通じず、不安と言うよりも途方に暮れてしまったと思います。
北海道に住んでいる限り、地震がいつ来るかを想定しながら、その備えを怠らないようにすることは肝要ですし、まずは、灯りや携帯の充電器等の準備があってこそ不安と戦えるとすれば、外国人観光客に対しても、それらのサービスを提供することを考えなければなりません。
今回の地震で路頭に投げ出されたに等しい外国人観光客に対し、観光北海道が出来ることとして、例えば、
○災害があった場合にはホテルや旅館、民泊等(以下、宿泊施設)が避難場所として機能するようにし、その時点に宿泊していた方々を優先的に受け入れ、排除しないこと。
使用していた部屋を提供するか、バンケットルームや会議室などに観光客を集約するかは適宜判断とすること。
○宿泊施設では情報を適時適切に提供する体制を構築すること(マニュアル化含む)。
○宿泊施設には最低三カ国語(英語、中国語、韓国語)通訳を確保するか、外国語相談サービスへの連絡先を明記すること。
○宿泊施設には二日分程度の飲料水や避難食を確保すること。また、携帯などの充電や最低限の電源を確保できるような予備電源を確保すること。
など、今回の地震で何が不備であったのかをきっちりと検証し、国内外の観光客が北海道旅行をしている時、不幸にも災害に遭遇しても不安がない体勢を作り上げることが必要だと思います。
訪日外国人観光客が増え、その中でも北海道に魅力を感じて来道してくれる数は年々増加しています。
道が目標としている外国人観光客20年度500万人に近づけるためには、「北海道旅行は危ない」ではなく、「北海道旅行は自然災害などの時、きっちりと保護してくれるので安心だ」ということでなくてはなりません。
「宿泊割引」や「北海道は元気です。」というキャンペーンだけではなく、「北海道は安心です。なぜならいつも旅行する貴方に寄り添っていますから」と上記の対策を紹介する方がずーっと効果が有り、旅行に安心を添える「おもてなし」になると思います。