特定警戒都道府県
- 2020年04月19日
昨日のブログにも掲載しましたが、政府は16日に全国に発した「緊急事態宣言」と同時に、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府の6道府県を、新たに「特定警戒都道府県」に指定しました。
先行して7日に緊急事態宣言指定区域となっていた、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県と合わせて13都道府県が、この「特定警戒都道府県」に指定されたことになります。
昨日は何が違うのかという疑問を投げかけましたが、違いがないということが判りましたので、その内容を掲載します。
まず、13都道府県を「特定警戒都道府県」に指定したことから、残りの34県は「特定都道府県」と位置づけられました。
それぞれが実施できる措置とは
<特定警戒都道府県>
1、施設の使用制限の要請・指示
2、在宅勤務の強力な推進
3、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な事業所に対し、事業の継続を要請
<特定都道府県>
1~3は「地域の感染状況や経済社会に与える影響」などを踏まえ、知事が適切と判断した場合に実施
となっています。
しかし、これでは「特定警戒都道府県」と「特定都道府県」は同じことができるわけで、改めて区別する意図が分かりません。
さらに実施できる措置ですが、
1、については特措法の第45条(学校、社会福祉施設、興業場等の多数者利用施設の使 用停止、催物の開催制限を要請または指示)で可能に。
2、については同じく第45条(都道府県住民に、居宅等から外出しないよう要請する権 限)で可能に。
3、については第50条(物資・資材の供給に必要な措置を要請する権限)、第52条・ 53条(電気・ガス・水道・運送・電気通信・郵便等、社会インフラ事業者の義務)、
第54条(物資の運送について指定公共機関に要請する権限)、第55条(必要な物資 を所有している事業者に売り渡しを要請する権限、事業者が売り渡しに応じない場合の 強制収容に関する権限)
などが知事に与えられています。
当然のことながら、1~3は法律に記載されている範囲で行うものですから、特定警戒都道府県の知事であろうが特定都道府県の知事であろうが同じ権限を有しています。
従って、これらの区域指定は緊急事態宣言が発せられた以上ほとんど意味を持ちません。
やはり「一人10万円給付」方針変更の方便でしかないのです。