療養病床の削減〜介護を受ける側の思いは?
- 2007年10月29日
国が医療費抑制の方策として療養病床の削減を打ち出してから、1年あまりになります。
療養病床の内、25万床ある医療型を15万床に、そして13万床ある介護型を5年間で全廃し、現状の病床を約6割削減するというのがその内容ですが、当初から地域の受け皿がなくなることによる介護難民の続出が懸念され、国民が不安を抱く計画でした。
一方、削減対象の病院では療養病床を医療病床にするのか介護病床にするのか、経営の根幹に関わる判断が迫られています。
国は削減の対象となる療養病床を有する病院にアンケート調査を行いましたが、医療費や介護保険の動向が定かでないことから約40%の病院では様子見となっています。
今年の第2回定例会・予算と特別委員会において「北海道は、積雪・寒冷による高齢者の社会入院や広域・過疎などの特性、老老介護や夫婦共稼ぎによる介護力の低下などの問題があり、療養病床の削減を全国一律で当てはめることにはならないのではないか」という私の質問に対し、その主旨とはまったく逆の「北海道は他都府県より療養病床が多いために国の削減基準より多く削減したい」と答えておりました。しかし、この度出された方針は、「北海道の特殊性を考慮し、削減率を国の6割より緩和して3割としたい」という内容でした。
結果、緩和されたことは良いことですが、4ヶ月前の舌の根も乾かぬ内の方針転換です。
これは、発表された病院の動向(国のアンケート結果)ばかりを気にしての変更なのか?介護を受ける立場、そして家族の声を受け止めての変更なのか?いづれにしても、この間、予算特別委員会や保健福祉委員会で行ってきた発言が削減の緩和に結びついたことは素直に喜びたいと思いますし、今後の動向も注視していきたいと思います。