苦悩の定例会
- 2019年11月26日
今日から北海道議会第4回定例会本会議が始まりました。
冒頭に、鈴木知事から定例会に付託する約64億円の補正予算の提案説明がありましたが、一見して知事の顔色がすぐれません。
鈴木知事は、今定例会において、高橋はるみ前知事が結論を先延ばしにしていた「IR(カジノ)誘致」への判断を行うという事を言明しましたが、肝心の与党である自民党会派の内部がまとまっておらず、知事の苦悩が顔色に表れているようです。
約64億円の補正予算には、2億円余りのIR調査費が含めれておらず、追加補正で対応する考えのようですが、そのタイミングの幅はあまり残されておりません。
29日から始まる各会派代表格質問の場において、最初に登壇する自民党の代表格質問で誘致に触れるのか、それとも10日の予算特別委員会知事総括質疑で触れるのか、いずれにしても追加補正予算の提案とそれに関わる審議が必要になってきます。
この審議を本会議における集中審議とするのか、食と観光対策特別委員会に付託するのかも視野に入れなければなりません。
道民の6割以上が反対し、与党の対応もバラバラ、当該地はウトナイ湖を中心とする「ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に対する保存条約)」の登録湿地を含んでおり、希少な生物の生息も確認され、誘致をした場合その環境アセスには3年程の時間を要すると言われています。
このような中、知事が急いでIRの誘致を判断する必要は無く、今回、国内3カ所が選定された場合、その運営状況をしっかりと分析してから時間をかけて検討することがあっていいと思います。
沖縄県では、IRに対して時間を掛けてあらゆる調査を行い、その調査結果を細かく分析、専門家委員会を9回も開催し、その報告を受けた知事の判断は沖縄のリゾート地としての観光にカジノは不要、ハワイもカジノを設置しないと判断したが、今も世界中から多くの観光客が訪れていることがそれを物語っているとコメントしています。
北海道の観光も、四季折々の食と自然が売り物であって、海外からの観光客も右肩上がりとなっています。
知事には顔色が良くなる判断を早くしていただき、道民に対しても笑顔で向かい合えるようになって欲しいと思います。