違法を犯す辺野古土砂搬入
- 2018年12月07日
政府と沖縄との話し合いは国が沖縄の民意を無視する形で終了し、早速政府は、辺野古への土砂埋め立てを強引とも思える手法で着手し始めました。
当初、土砂の搬出を本部町の本部港から行うことにしていましたが、台風の影響で本部港の岸壁に被害が生じ、改修工事が年内いっぱいかかることになったことから使用を諦めざるを得ない事になりました。
そこで、政府が考えた次の手が民間企業である琉球セメント所有の安和桟橋からの船積みです。政府は、沖縄県との間で辺野古埋め立てに関わる土砂の搬出は、海路によって行うとした「埋め立て申請書」を提出していることから、陸路からの搬出は行えません。
3日に安和桟橋から土砂の船積み作業を開始しましたが、ここに落とし穴がありました。
安和桟橋は民間事業者である琉球セメントがセメントの出荷に使用する設置許可を申請し、2016年に許可されていますが、県の「公共用財産管理規定」で定める「桟橋設置工事完了届け」を提出していませんでした。
琉球セメントは、土砂積み込み作業開始後に県の行政指導を受けて届け出をしましたが、申請通りに設置されているのかを示す資料の提出と、現地立ち入り検査で確認されるまで使用は許可されません。
一方、安和桟橋の敷地内4,250㎡の土地に、辺野古に搬出する予定の土砂が山積みにされていますが、1,000㎡以上の土地で赤土を含む土砂を堆積するという事業行為を行う場合は、県の「赤土等流出防止条例」による許可が必要で、事業開始の45日前迄の手続きを義務付けていますが、4日までには届け出はないとのこと。
政府は、急いで埋め立て工事を開始するために、二つの県条例違反を犯したのです。
それも民間企業を巻き添えにして。
セメント会社には、辺野古埋め立てで「甘い汁」を吸わせていたのかもしれませんし、今後の工事で優遇することをちらつかせたのかもしれません。
テレビドラマ水戸黄門の「悪代官と越後屋」の構図を思い出させます。
いずれにしても、桟橋の完成届け出に不備があれば是正を勧告できますし、従わなければ許可を取り消すことも出来ます。
一方、山積みされた土砂は、許可が出されていないので撤去しなければならない可能性も有り、さらに撤去の際にも届け出が必要となってきます。
さらに、船積みに使用されたベルトコンベアーの使用届け出も「石炭、石材の運搬」となっており、土砂搬出の届け出が出されていないという、全くのお粗末な内容です。
しかし、政府はこれで諦めるわけではありません。次々と新手の手法を繰り出してくるものと思われます。
デニー知事には、何としても新基地阻止のためにあらゆる策で対抗していただくよう、応援し続けたいと思います。