PFASが身近に(ブログ3616)
- 2024年06月26日
発がん性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)が各地の浄水場や河川から検出されている事態を受け、環境省が全国の水道水を対象にPFASが検出されていないかを調査することが報道されました。
PFASのうち、代表的なPFOSとPFOAの合計で、体内に取り込む日本の暫定目標値は、1リットルあたり50ナノグラム、米国では4ナノグラムとなっています。
6月10日に放映されたNHK「クローズアップ現代」では、PFASが検出されたマップを示して、その汚染が全国に広がっている事を示していましたが、道内でも道央を中心に12カ所から検出されており、その中に函館市も含まれていました。
函館の場合は、定量下限値未満の検出でしたが、水道水にPFASが含まれていることは明らかです。
PFASは、半導体の洗浄にも使用され、千歳に進出する「ラピダス」も大量の水を使用し、そして排水する事になりますから、PFASの検出が心配されます。
ラピダス社はPFASを除去してから排水すると話していますが、岡山県の吉備中央町の浄水場では目標値の28倍となる1400ナノグラムが検出されました。
この原因が取水源の上流に野ざらしで保管されていた「使用済み活性炭」から流出したと言うことが分かっています。
使用済み活性炭は、産廃ですが、管理がずさんだったため袋が破け、中に入っていた活性炭が散乱していました。
さて、化学工場などではPFASを除去する材料として活性炭が使われています。そう考えるとラピダスはPFASを除去すると話していましたが、活性炭で除去した場合、その活性炭の処理にも慎重を期さなければなりません。
いま私たちの身の回りには、PFASがいっぱいという環境となっていますから、便利さを少し横に置いて、PFASを含む物を遠ざける様に自己防衛をしなければなりません。
週刊金曜日によると、
・まずは水道水。自衛のために浄水器を使用。
・半導体工場や化学工場周辺地域および工場労働者は、身近な河川や水道水の定期的な調
査を自治体が実施する。
・下水汚泥の肥料化は、下水汚泥にPFASが残留している可能性があることから使用を
避ける。
・水産物では、PFASが環境中で土壌→地下水→川→海というサイクルで汚染を広げて
いることから、沿岸の海洋で養殖している貝類(アサリやカキなど)、湖に生息する淡
水魚は、近くに汚染源がある地域で収穫された貝類や淡水魚は要注意。
・化粧品では化粧崩れの予防や、パウダーや顔料がスムーズに行き渡る為に表面処理剤と
して、マスカラ、口紅、ファンデーション、コンシーラ、日焼け止めなど成分表示に「~
フルオロ~」が表記されているものは避ける。
・フッ素加工のフライパン。微少な傷からもPFASが滲出してくる。
・スキーやボードのワックス。スキー大会会場のコースの雪から7600~10700ナ
ノグラムが検出された例もある。室内でのワックスがけをしている職人の血中からも大
量のPFASが検出されている。
・塗料・ペイント。6:2FTOH(フルオロトロマーアルコール)が使用されてる場合が
ある。
・洋服・和服等の防汚処理、革製品等の防水処理スプレー。PFASが使用されている。
・デンタルフロス。歯間にスムーズに入るようにフッ素樹脂(PTFE ポリテトラフル
オロエチレン)が使用されている商品がある。
・ファストフードの包み紙。水や油をはじくものはPFASの使用が疑われる。
皆さん、気をつけましょう。