TPP締結内閣?
- 2011年01月16日
昨日、菅再改造内閣が発足しました。
TPP締結に慎重な姿勢をとり続けた大畠経済産業相がはずされ、新たに推進派の海江田氏が経産大臣に就任しました。
すでに、ワシントンでは日米のTPP初会合が開かれ、例外無き関税の撤廃や関税以外の非関税障壁の撤廃も改善するように求められたと報道されています。
TPPは農業と輸出産業との対立のように歪曲化されていますが、締結国間においては全てが自由化の対象となるわけで、よく言われるように、例えば牛肉の輸入でアメリカは30ヶ月未満の牛肉の輸入を求めていますが、日本は、輸入牛肉は20ヶ月未満とし、米国のBSE検査だけではなく、国内においてもBSE検査を行うことが義務づけられています。この規制の中にあっても、幾度と無く危険部位である脊髄が混入し、水際で発見されたことは皆さんの記憶にも新しいことと思います。
TPPに参加すると、この規制も撤廃されることになり、すなわち、輸出国の基準が優先となるわけです。これが関税撤廃以外の非関税障壁の撤廃ということです。
農薬だらけのミニマムアクセス米、遺伝子組み換え大豆も相手国の基準、さらに、金融の解放で狙われるのは、数百兆円を保有する郵便貯金や簡易保険で、この資金運用にも米国金融機関の参加が求められることにもなりかねません。
そうです、私たちや高齢者が将来を託すためにコツコツ貯めてきたお金が、米国に吸い取られることになります。
弁護士等の有資格もオールフラットとなり、米国で余っている弁護士が大量に日本で仕事をし、強烈な訴訟社会になることも想定されます。
TPPは、日本の国の形そのものを変える「貿易の自由化」です。
今のままのEPA(二国間貿易協定)やFTA(EPA+人的交流)で何の支障があるのか、そして、何のためにTPPに参加するのかを国民に明らかにし、十分時間をかけ、あらゆる国内産業がTPPに参加しても十分に対処できるまで、拙速な結論は避けるべきではないでしょうか。