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「新聞記者」

  • 2019年07月03日

 興味のある方には話題の映画である「新聞記者」を観てきました。

 札幌ユナイテッドシネマでの上映で、21時からという遅い時間にも関わらず館内は三分の一程の観客が入っていました。

 関心のある少し過去の、そして今でも現在進行形である国際戦略特区の大学新設に関わる真相を探る新聞記者と、国の方針に逆らう者は全てフェイク情報を屈指し社会的に抹殺する内閣調査室(内調)職員とのやり取りを縦軸に、それぞれの職務に関する心の葛藤を横軸にしたストーリーとなっています。

 この原作者は、東京新聞記者で菅官房長官に鋭い質問を浴びせ続ける「望月衣塑子」記者で、そのベースになっているのが「加計学園問題」です。

 映像は、加計学園問題で「有ったことを無かったことにはできない」と官邸からの様々な指示や忖度の文書について発言し、その発言故に内閣調査室が「ガールズバー」に出入りしていたとフェイクニュースを読売新聞にリークし、社会的な抹殺を図った元文科省事務次官である前川喜平氏と望月衣塑子記者の対談が節々でストーリーのバックのテレビに映し出され、この作品がまさしく「加計学園問題」をテーマにしていることを観客にアピールしています。

 また、ストーリーの中では、上からの指示で強引に国際戦略特区に大学新設を計画させられ、その大学に「バイオセーフティーレベル4(BSR4:重篤な感染症である天然痘ウィルス・エボラウィルス・マールブルクウィルス・コンゴ出血熱ウィルス・ラッサウィルス等)」の研究施設を併設し、軍事利用することを盛り込ませられることに悩んだ官僚が、新聞記者に計画の一部をリークして自殺するという内容まで含まれ、加計学園と森友学園問題で近畿財務局の職員が自殺したことも二重写しとなっています。

 確か、加計学園獣医学部もBSR4の研究設備を国際戦略特区の売りにしていた気がします。

 そして、この国にある情報操作集団の内閣調査室(内調)は、時の政権を守るために国民を陥れることを目的とし、そのためには忖度するマスコミにフェイク情報をリークすることを厭わない組織であることを、映画というフィクションとはいえ観客に訴えます。

 改めてこれまでの現実を思い浮かべる時に、まさしくそれが原作者と監督の狙いだったことが判ります。

 函館での上映が予定されているかはわかりませんが、機会があったら是非観てほしい映画だと思います。


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