「桜」疑惑
- 2020年09月20日
憲法学者の小林 節氏が、菅義偉氏の「桜を見る会は2021年度以降は中止する」と表明したことに対して、日刊ゲンダイにコメントを載せていました。
<菅首相はこの間、安倍内閣の官房長官として「桜を見る会」の私物化を知る立場にあった。それは、公選法違反の買収、刑法違反の背任、横領、財政法違反の予算の目的外使用であるからこそ、その記録は表に出せるものではないのであろう。
そのような行事を「やめた」ということは次のような意味があるだろう①まず、21年に先例通りに「桜を見る会」を開催した場合、当然にマスコミ等により監視・記録され、必ず説明に窮する事実が出てくるはずである。だからといって、それを避けた内容では会を開催するといううまみがない②また、会を続行した場合、当然のことながら次回に向けて記録を残さなければならないはずで、そこで記録を残さなかった19年との矛盾を突かれて返答に窮する事になる③さらに、19年の首相の「犯罪」の公訴時効は3年であるから22年5月までは刑事事件として立件できる。だから、全ての証拠を知り得る立場にいた菅首相としては、時効が完成するまで「桜を見る会」が政治問題化して国民の中から19年の会に関する資料請求が湧いて出ることは避けたいはずである。
つまり、今回の中止決定は、政権として19年の悪事を「自認」したようなものである。 同時に、菅政権が続き限り、権力により証拠が隠されている以上、19年の「桜を見る会」を刑事事件として立件することは不可能である。
しかし、1年以内の総選挙で政権交代が起これば、当然政府の記録は公開されることになる。そうすれば「桜を見る会」だけではなく、モリ・カケ、給付金中抜き法人等の闇のすべてを明らかに出来ることになる。> と「桜を見る会」の中止は悪事の自認に等しいことを述べています。
折しも、ジャパンライフの山口隆祥元会長が逮捕されました。
山口元会長は、「桜を見る会」に招待されたことをジャパンライフの広報誌に利用して多額の詐欺行為を行いましたが、安倍総理(当時)は結果としてこの会社にお墨付きを与えたかのような効果を果たしましたし、加藤官房長官の顔写真も同じように同社の宣伝に使われていました。