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あきれた入試改革

  • 2019年12月18日

 萩生田文科相が、大学入学共通テストの記述式を見送ることを表明しました。

 この問題は誰が考えても当たり前のことで、マークシート式では採点が一発ですが、記述式では受験生の数だけ様々な記述がなされることになりますし、その採点には当然採点者の主観が入ることになり、ばらつきが起こり不公平となってしまうのは当然です。

 そして、その採点者に学生アルバイトを起用するとあっては、何をか況んやです。

 さらに、試験会場が都会に偏ったり、費用が高額で受験する回数にも差異が生じるのであれば、地方の学生や家庭の経済状況で機会均等がないがしろにされることになります。

 憲法第26条には「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。」と書かれています。

 しかるに、憲法を尊重し擁護する立場にある国務大臣そして公務員が、こんな馬鹿げた制度を実施しようとすること事態、この内閣と忖度官僚の腐敗が取り返しのつかないところまで行っていることを表しています。

 ましてや萩生田氏は安倍晋三氏の側近中の側近、その方が「身の丈」発言をするという、教育のなんたるかさえ知らない大臣であり、さらに、「従来の文科相からの引き継ぎだから」という感覚に驚かされます。

 中央教育審議会において大学入試の内容を変える考え方がまとめられましたが、そこに安倍晋三氏や自民党の意見が加えられた結果、この始末です。

 大学入試改革の議論を行う中で、早くから記述式における採点の困難さが指摘されていましたが、改革ありきで進んだだけでは無く、下村元文科相から始まったべネッセとの蜜月が今日の状況を招いているのだと思います。

 教育の本来の有り様や、受験生の立場などを考えもしないで、民間へのシフトを急ぎ、そして民間との癒着で良い思いをするというのが露骨に現れた今回の問題。

 白紙からの検討は至極当たり前の結論だと思います。


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