おかしい話
- 2020年11月18日
やはり、拙速に結論を出してしまったことが「あだ」になったのか、おかしいと思うことが今日の道新にも掲載されていました。
17日、政府が文献調査を認可したことから、早速、神恵内村ではPTA連合会が子供たち向けの勉強会を開催しましたが、子供たちの質問に対して高橋村長が十分に答えられず、また、その場にいた国やNUMOの説明員は全く説明しないという、理解していただくにはほど遠い勉強会となってしまい、子供たちからも「説明が足りない」という不満の声が出されたそうです。
子供にも説明が出来ないということは、高橋村長自身も文献調査のことや村商工会から議会への要請、それを受けた村議会での同意について十分に把握していないということなのか、また、ナゼ政府(経産省資源エネルギー庁)やNUMOは、全く説明しなかったのか。
今を生きる大人たちの判断が、未来を生きる自分たちの子供たちや子孫の未来に大きく影響を及ぼすかもしれないのです。
せめて、一番身近な未来を背負う小中学生の素朴な疑問に、村長や議会、政府やNUMOが説明できないのは全くおかしい話です。
また、文献調査を行うNUMOが20億円の使途に関わり、交付金を活用したインフラの整備や関連産業の誘致などの「地域経済発展ビジョン」にも関与するとのことですが、交付金を使った地域の振興策は自治体が自ら責任を持って地域住民と共に作り上げるものでなければなりません。
そこにナゼNUMOが関わるのか、自治体の財政自主権に対し国の機関が主導的な立場をもって関与することは、財政再建団体意外に考えられず、全くおかしい話です。
さらに、両町村は風評被害について、「国が責任をもって対処すべき」と主張していますが、これについてもNUMOは「風評被害対策については具体的に持ち合わせていない」としつつ「出ないように注力(力を注ぐ)していく」と答えています。
風評被害は、NUMOが出ないように願っても、何の効果もありません。
風評はまさしく、「世間であれこれ取り沙汰すること」であり、風評に蓋をすることは出来ません。そして、その風評で様々な被害を被るのは地元です。
「出ないように注力していく」とは、何と空しい無責任な言葉でしょうか、文献調査決定以前の話はいつの間にかトーンが下がり、説得力も無く、全くおかしい話です。
加えて、NUMOの近藤駿介理事長がこの決定に関する談話の中で「(両町村に)深く敬意を表し、心から感謝する。調査期間中には放射性廃棄物は一切持ち込まない。」と発言したことです。
こんな「アホ」な方が理事長であるNUMOが信用できる組織とは思えません。
本当は、調査期間中に放射性廃棄物を持ち込むことを想定していたから、それを否定する言葉をわざわざ発したのだとしか思えません。道民を愚弄した全くおかしい話です。
極めつけは、陸上部の地下だけではなく、「海岸から15km以内の海底下での埋設も視野に入れた海底活断層も調査する」と明らかにしたことです。
これは、仮に陸上部の地下に問題があっても、海底部の地下まで範囲を広げるということで、処分場建設の可能性を広げることを意味しますが、そうなれば、その地下に一辺が2kmから3km四方(計画では6k㎡から10k㎡)の処分場が出来ることになります。
そこには、陸上部の自然バリアーに多少の問題があっても人工バリアーで対処すれば問題無し、ましてや海底部の地下で住民の不安も軽減されるだろう、というNUMOの身勝手な思惑が透けて見えます。
何としてでもこの両町村に処分場を建設したいということをあからさまにしたということで、全くおかしい話です。
そして、仮に海底部の地下に処分場を建設するならば、もしもの事態が発生した場合、影響が海洋に及ぶことが想定されます。
海には境がありません。まさしく、両町村だけの問題では無くなることを平気で発表し、その意図についての説明も一切ありません。全くおかしい話です。