お試し改憲
- 2016年02月05日
衆議院の予算委員会において、安倍晋三は憲法9条の改定に相変わらず前のめりな発言を続けていますが、ここでも発言を聞いていておかしいと思える矛盾を話されています。
既に、マスコミでも取り上げられていますが、安倍晋三は「7割の憲法学者が自衛隊に対し、憲法違反の疑いを持っている。」と述べて、だから憲法違反を是正するために憲法を改定し自衛隊を合法化するのだと言わんばかりです。
一方、昨年の安保法制の時には、憲法学者の9割以上が憲法違反だと指摘しているにもかかわらず、内閣法制局長の首をすげ替えて長年の憲法解釈を強引にねじ曲げ、強引に閣議決定をし、連立を組む公明党を謀ってまでも安保法制を押し通しました。
まさしく、安倍晋三の言葉を借りればブーメランの発言です。
自衛隊の存在は、過去の政権において、憲法第13条における「生命、自由及び幸福追求権」において認められるという解釈を継承してきましたし、共産党も長い年月における論争を経て、当面容認する姿勢に転じて参りました。
したがって、自衛隊は、憲法9条2項における戦力としての「軍隊」ではなく、災害対策や個別的自衛権を行使するための必要最小限の組織という位置づけとなっています。
高度な判断で、何の問題もなくこれまで自衛隊は存在してきております。
さらに、「お試し改憲」として国民が納得するであろうから、災害時などの「緊急事態」に対応するため、緊急事態条項を新設するなどと話していますが、ドイツのヒトラーのように「全権委任法」を設置し、憲法に拘束されず全ての権限を総理大臣に集中するということを目論んでいるようです。
災害対策は法を整備すれば良いことであって、また、「衆議院が解散している時に他国から攻撃された場合にどうするのか」とまことしやかに言いますが、そのために参議院には解散が無く、国会は存在しているということであり、全くの方便としか言えません。
この「緊急事態条項」は9条改定よりも問題が大きい条項で独裁国家へ道を開く条項となります。
国民の皆さんは、これまでもそうでしたが、これからも安倍晋三のまやかしに騙されないようにしなければ、日本がとんでもないことになってしまうということです。