こども基本法(ブログ3208)
- 2023年05月05日
こどもの日は、「こどもの人格を尊重し、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する日」と定義されています。
しかし、今の日本ではこどもの人格(人間としての主体)が尊重されているでしょうか。
この人格を人権として捉えるならば、人間としての普遍的な権利と自由であり、今の日本ではこどもの権利が一番底辺に置かれているかも知れません。
「次元の違う子育て支援」と豪語していますが、その内実は子育てする親への支援であり、主体であるこどもには向いていません。
また、こどもが何を望んでいるのか把握できずにこどもの幸福を図る事は出来ません。
今年4月1日、あらたに「こども・家庭庁」が設置されると供に「こども基本法」が交付されました。
こども家庭庁設置の主旨は、<こどもが自立した個人として等しく健やかに成長できる社会の実現に向け、子育てにおける家庭の役割の重要性を踏まえつつ、こどもの年齢および発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮する事を基本とし、こども及びこどものある家庭の福祉の増進及び保健の向上、その他の子どもの健やかな成長及びこどものある家庭における子育てに対する支援並びにこどもの権利利益の擁護に関する事務を行う。> とし、こども政策に関する重要事項等を審議する「こども家庭審議会」を設置する事になりました。
併せて、同日に「こども基本法」が交付され、その目的に<日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人として等しく健やかに成長する事ができ、こどもの心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることが出来る社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進する。>ことをうたっています。
基本理念として、<個人として尊重されること、基本的人権が保障されること、差別的な扱いを受けることがないようにすること、適切に養育されること、生活が保障されること、愛され保護されること等があり、さらに、年齢および発達の程度に応じ、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会・多様な社会活動に参画する機会が確保されること>が規定されています。
これらの事が法律に盛り込まれましたが、逆に言えばこれまでこども達はこのように扱って貰っていなかったのだということになります。
こども家庭庁が設置され、こどもに関わる法律の上位法である基本法が制定されましたが、これに魂を注入しなければ、単に文字を並べただけのものとなってしまいます。
政府にその覚悟があるのか、これからの施策の推移を注視していきたいと思います。