これからも石炭火発か(ブログ3463)
- 2024年01月26日
道議会の視察があり、沖縄県の離島での自己完結型の発電(北海道にも離島があります。)と、愛知県の石炭火力発電のアンモニア混焼発電所を訪ねました。
北海道は国内1番の産炭地、埋蔵量も約200年分有していますので、CO2を出さずに石炭火力ができれれば画期的な技術になります。
沖縄では、木質ペレットと石炭の混焼を視察。沖縄電力は、水力も大きな河川がない事から不可能で、太陽光を実施する広大な土地も無く、台風の通り道なので風力発電の羽根が折れる事故が相次ぎ、風力発電も出来ない事から、結果的に化石燃料による火力発電に依拠していますが、輸入したパーム椰子や建設廃材を木質ペレットに加工し、石炭との混焼を行ってCO2削減に挑んでいます。また愛知県では、JERA(東京電力と中部電力の出資会社)の碧南火発を視察、1号機から5号機まで総発電量410万kw、そのうち100万kwを発電する4号機で、燃料石炭へアンモニアを20%混焼する実証実験を3月から行い、将来は60%まで引き上げ、最終的にはアンモニア発電100%を目指すとのこと。
化石燃料の発電は、世界中から廃止の方向性が示されていますが、JERAはNEDO(政府が設置した法人:新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの支援を受けて、「世界のファーストペンギンになる」との方針で、どの国も手を出さない化石燃料での発電に半端ではない予算を投入しています。
今の試算では、アンモニアが国内では調達できないことから通常の発電の3倍もコストがかかる電力となりますが、今後は自社でアンモニアも製造する計画。
北海道にとっては石炭との混焼で産炭地にもプラスになりますが、混焼である限りCO2は排出されますし、もしアンモニア100%が成功すれば、産炭地にとって何のメリットもありません。
JERAに疑問をぶつけても、国策で推進していることから、強気の発言ばかりでした。
30年までに商業運転、40年までに混焼率60%、50年までに100%としてゼロエミッション移行する計画ですが、果たして、多額の予算をつぎ込んで、成功に向かうのか?期待と疑問を感じた視察でした。