それでも五輪
- 2021年05月01日
26日、「五輪に医療スタッフを」と題してブログを掲載した中で、組織委員会が看護師500人の派遣を看護協会に要請したことに触れました。
その後、国内ではこの問題が炎上し、現場の看護師さんや多くの国民から非難ごうごうという状況になりました。
そのことに対して菅氏は「現在休まれている人がたくさんいると聞いている。可能だ」との見方を示す一方で、反対の意見について「そういう声は承知している。支障が無いように全力を尽くす」と語っていました。
何の根拠を持って可能だと言えるのでしょうか。
これまでも菅氏の言葉には全く根拠が示されておりません。
看護師免許を取得して医療現場の一線で働いていた方が、何らかの理由があってその医療現場から離れているということをどこまで理解しているのか不明です。
断言するからには、現状の医療現場に手を突っ込むことなく、看護師を確保しているという担保が有るということなのでしょうか。
当然、世界から一流のアスリートが参集することになる4年に一度のスポーツの祭典ですから、最新の医学知識と対応できるスキルを身につけている看護師でなければなりません。既にリタイアした看護師の方や出産・育児、介護などで、長い期間第1線から退いている方では、なかなか難しいのではないかと、素人の私は思ってしまいます。
ましてや、コロナウィルス感染症まで視野に入れた五輪医療班ですし、もしも選手が感染した場合には国としての威信が問われますから、最上級の治療を行わなければなりません。そして、そのための機材も用意しなければなりませんし、その機材を熟知している医療スタッフも求められます。
さらに、都内30医療機関を五輪指定病院とするとのことですが、緊急事態宣言発令中の東京都にそんな余裕が有ろうはずもありません。
菅氏が言いたいのは、「日本で開催する世界的なイベントなのだから、開催期間中は国民には犠牲になって欲しい。」ということなのでしょう。
国民を地獄の一丁目に追いやることを厭わないこの国のリーダーに、私たちは「しょうがない」と黙って従うべきなのでしょうか。