どこの国の総理
- 2020年08月10日
9日の長崎市平和式典での安倍晋三氏の式辞が、6日の広島市での式辞と非常に酷似しており、被爆者の皆さんが「何のために被爆地まで来たのか、馬鹿にしている」と憤慨している事が道新に掲載されました。
それによると、原爆投下から復興を賞賛した一文や「広島」、「長崎」の地名は異なるものの、後はほぼ同文であったとのこと。
私自身、両方の式辞を比較しておりませんが、当然あり得ると思っています。
安倍氏が総理として就任以来、平和式典の式辞はコピペを繰り返しており、内容は前年踏襲という事が続いています。
何年も、同じような文章を読み上げている総理がそのことに気づかないわけがありません。と言うことは、文章の中身など総理にとってはどうでも良いことなのでしょう。
極端に言うと、式典にも出席したくないというのが本音なのかもしれません。
2017年に起草され、50ヶ国が批准すると発行される「核兵器禁止条約」、その翌年の平和式典では、唯一の被爆国である日本が批准も署名もしないことを一般の参加者から非難され、苦虫を潰したような顔を見せていた安倍晋三氏、「唯一の被爆国として、核保有国と核非保有国との架け橋になる」と話しても、言葉だけで具体的な行動には至らない「やっている感」だけである事は、日本だけでは無く世界中に知れ渡っています。
放射性物質を多量に含んだ「黒い雨」を浴び、健康障害に苦しみながら、これまで「被爆者」と認められなかった事に対する訴訟で、広島地裁が原告全員を「被爆者」と認める判決を出しましたが、そのことさえ式辞では全く触れられませんでした。
「あなたは、どこの国の総理だ」との思いは、原爆被害者やその家族だけでは無く、多くの核廃絶を求める方々の共通の声だと思います。