なし崩しの派遣
- 2019年12月28日
やっぱりというか、想像通りというか、政府が国会閉会後に自衛隊の中東派遣を閣議決定しました。
閣議決定をし、このまま年明けの通常国会を待たずに派遣をすれば、後の祭りとなってしまいます。
「調査・研究」目的とは言っていますが、その実はトランプが求めている有志連合艦隊への派遣と同意ということになります。
そして、日本船籍の安全確保のための「調査・研究」を名目にしていますが、相手から攻撃があればすぐに「海上警備行動」に入ります。
日本の関係船籍すなわち日本へ原油を運んでくる船の8割が外国船籍で、多くはパナマ船籍ですが、事実上は日本の企業が所有しているタンカーであることは言わずもがなとなっており、仮に日本へ原油を運んでいるパナマ船籍のタンカーが攻撃を受けても、日本船籍では無いことからタンカーの護衛は出来ません。
それでは一体何のための派遣なのか、このことについても国民に何の説明もありません。
菅義偉氏は、相も変わらず「丁寧な説明をする」と繰り返していますが、もはや誰も菅氏の言葉を信じてはいません。
遠い海上で不測の事態に遭遇したら、即応しなければならないのは海上自衛隊なのです。 「国、もしくは国に準じた組織以外の組織との交戦は『戦闘』ではない」というのは日本だけで、戦時国際法上ではそんな理屈は通りません。
また、仮に国に準じた組織との交戦となった場合は、戦争に入ると言うことになります。
そのことも整理せず、そして、自衛官に何らかの犠牲が出た場合の補償についても何も決められていないのです。
全てがなし崩しで行われる中東派遣。
年明け後の通常国会は、「桜・私物化」、「IR・贈収賄」、「中東派遣」等々、盛りだくさんの中身です。