ふるさと納税と交付税(ブログ3177)
- 2023年03月25日
ふるさと納税による寄付金の上位の自治体を対象に、寄付金収入が多く、財政に余裕が有ると総務省が判断した場合、交付税を減額するというルールが18年度に導入され、北海道では全国1位の紋別市、3位の根室市、4位の白糠町がその対象になるようです。
私は、そもそも「ふるさと納税」に反対の意見を持っています。
地方税である住民税は、住んでいる自治体の基礎的な財源であり、この財源を利用して住民生活に欠くことの出来ないインフラの整備や、住民サービスを行っています。
そこに住む住民が、本来納めなければならない税金を、他の自治体に寄付という名目で納め、その自治体からの返礼品を手に入れるというのは、税のあり方、そして納税の義務に反すると思っています。いくら政府の政策といえど、納得は出来ません。
従って、ふるさと納税の名の下に他の自治体に納税(寄付)をしている方が、ご自身の住んでいる自治体の住民サービスに不満を表すのは、ん~む、いかがでしょうか。
さて、ふるさと納税の制度には納得がいかない事を前提にしても、政府が作り上げた制度に、各自治体が創意と工夫を重ねて努力した結果、ふるさと納税による寄付が多額になったからといって、交付税を減額するというのは本来政府が行うべき政策では無く、筋が違うと思います。
ふるさと納税は自治体の努力で得た別枠の収入であり、交付税は人口10万人に換算した場合の全国平準的な基本的行政サービスを提供するのための財源です。
この主旨の違う制度を混同し、ペナルティーを導入することは、ふるさと納税が政府の意図とは違う方向に向かい、この制度の欠陥を認めたことになると思います。