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またも報道への不当介入(ブログ3586)

  • 2024年05月27日

 NHKの報道に対して文科省がクレームを付けました。

 教員の長時間労働に関する問題で、中央教育審議会(中教審)の特別部会が、公立学校の教員の給与に関して4%の調整給を支払う事によって、残業代の代わりとする「公立の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法」に関し、10%に引き上げる「とりまとめ」を了承しましたが、この問題は、残業代を払わない仕組みが、長時間労働を常態化させ、教員を疲弊させていることから、「低額働かせ放題」と呼ばれてきました。

 そして、長時間の残業と自らの時間を犠牲にしなければ、教員としての業務が遂行できないこと、また、この問題が一向に改善しないことから、教員を志望する学生が激減していること、さらに、中途退職が増えていることから、学校現場では長い間横たわっていた大きな問題だったのです。つまり、教員の犠牲の上に日本の義務教育が成り立っていたと言うことになります。

 そして中教審は、根本の教員の増員による時間外の縮減などには目をつむり、調整給を10%にすることでお茶を濁す結論を出しましたが、これでは時間外勤務の実態は何も変わらず、根本の解決には至りませんし、金で問題を解決しようという弥縫策であることは明白です。

 従って、教員を増員し、正規の残業代を支給して労働者として当たり前の権利を確保する為に、特措法である給特法を廃止することと、少人数学級や複数担任制を導入することが、教員にとっても子どもの教育にとっても重要な事なのです。

 そして、NHKの報道は、この給特法が現場や教育関係者の間で「低額働かせ放題」と形容され、批判してきたことを、そのまま論評してきたにすぎません。

 文科省は、NHK報道に対し「大変遺憾」だとし、丁寧な取材に基づく公平・公正な報道を求めてますが、報道の自由やメディアの役割に介入する極めて遺憾な行動です。

 この間も、安倍政権以降報道に対する介入が顕著になってきましたし、高市元総務大臣が個別の報道に立ち入って、「電波停止」に言及するなどの脅しを行ってきました。

 また、各放送局は政権に忖度し、多くの優秀なキャスターやコメンテーターを排除してきました。

 文科省が、今回の「低額働かせ放題」という表現に問題があると認識しているのであれば、報道への圧力や介入など「力」でねじ伏せるのでは無く、堂々と文科大臣が出演し、教員の代表と映像の前でこの問題について討論すべきです。幸い、NHKは日曜9時から「日曜討論」という番組を放送していますから、それこそNHKにお願いをして、国民へ、今の給特法や中教審の「とりまとめ」について理解を求める努力をすべきです。

 いやいや、その場では、しどろもどろになるから大臣一人では無理なのかも。

 何せ、旧統一教会での国会答弁では「記憶にありません」とう言葉を連発していた大臣ですから。仕方がありませんので、文書を発出した文科省初等中等教育局長も同席させても良いですから、是非、実現して欲しいと思います。

 抜本的な解決をしなければ、教員は限りなく減少し、日本の教育は崩壊してしまいます。


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