またも東電のミス(ブログ3667)
- 2024年08月25日
東電の福島第1原発事故により発生したデブリ回収がまた延期になりました。
今回は、圧力容器内へ到達する貫通部分を利用してデブリまでケーブルを挿入し3gのデブリを回収するミッションでしたが、最初のケーブルを押し込むパイプの順番を間違えたという、「えっっ」という初歩的なミスで中止となりました。
こんなミスは、小学生のレベル(小学生に怒られるかも。スイマセン)でもあり得ないミスではないでしょうか。
1.5mの押し出しパイプ5本に、番号でも書き込んでいれば、順番を間違うなど起こりえないことで、東電の技術力とは私たちの人知を超えるほどの未熟さである事を改めて示したようです。
東電は、「起こったことだけを見ると、初歩的なミス」と話していましたが、その初歩的なミスさえ防ぐことが出来ないくらいに組織が劣化しているということなのでしょう。
例え、それが作業員の行ったことであっても東電の言い訳は、通用しません。東電が作業員を信用できなければ、原発という複雑な装置の全てを技術員が行なわなければなりませんが、それは現実的ではないでしょう。事故が起きてから13年が経過していますがデブリの回収は1gも出来ていません。このままでは880トンの回収が何時までに完了するのか皆目見当が付かないほど遠い未来と言うことなのでしょうか。
廃炉は、当然のごとくデブリ回収が終了する事が前提となります。これまでの東電の高齢表では、2011年の事故後30年~40年を目処に廃炉の完了と示されていましたが、880トンのデブリの取り出しには、仮に1日10kg取り出しても約240年もかかり、残り30年で考えると毎日80kgも取りださなければなりません。
そして、デブリはただの土では無く、とてつもない放射線を発生させる物質ですから、何処に貯蔵するのか、どのように貯蔵するのかも問題になります。つまり、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の比などでは無いのです。
取り出すこともできず、取り出してもそのデブリを貯蔵する場所さえ無いという八方塞がりの現状で、デブリを取り出すことが果たして現実的な手段なのでしょうか。
東電、そして経産省、規制委員会は解けない問題を突きつけられています。