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またも電気代に上乗せ(ブログ3648)

  • 2024年08月02日

 原発の建設費用を電気料金に上乗せをしようとする「悪だくみ」が経産省で進められています。

 これは、電力の自由化で原発の建設費を確実に回収する事の不確実性があるため、電気料金に上乗せすれば建設費が回収できるという電気事業者の思惑を後押しする政策であり、これまでもそう思っていましたが、経産省は電気事業者の回し者という立場を維持していく事に存在意義を抱いているのかも知れません。

 この政策は、英国で考案された「RABモデル」を参考にした制度で、これまで原発の建設が始まる時点で建設費や維持費を電気小売り事業者が負担していましたが、この負担を小売り事業者では無く電気料金に上乗せする形で回収しようとするもので、当初計画より建設費が膨らんでも電気料金に上乗せが出来るという小売り事業者にとって、イニシャルコストやランニングコストを消費者に肩代わりをさせる「おんぶに抱っこ」の政策となります。

 経産省は、「今後データーセンター(DC)などの新設で電気需要が増加する」と説明しますが、DCや半導体工場等のIC関連事業者はSDG‘sに配慮する事を方針とする企業が多く、再生可能エネルギーを使用していると言うことが自社への投資を呼び込むために必要な条件と考えていますから、DCなどの新設で電気需要が増える場合でも、原発やCO2を排出する火発などの電気は敬遠されることになります。

 ところが、この政策は再生可能エネルギー100%の電気を選んだ人も企業も、原発の建設費を払う事になる可能性もあります。

 さて、日本がRABを導入する場合、発電事業者が小売り事業者となっていることから既存の原発の再稼働に関わる安全対策の費用も対象にするかも知れません。

 例えば泊原発の場合、防潮堤の建設をしましたが、規制委員会から安全性に疑問を投げかけられ新たな防潮堤の建設を行っていますし、冷却水プールの高台への移動、緊急電源設備などの安全対策の累計は約4,000億円にも上っており、さらに新たに原発燃料運搬船の津波対策として新しい港を建設する費用を500億円計上することにしています。

 今後、それらの費用は電気代に上乗せが出来る可能性がありますから、電気事業者にとっては「経産省に足を向けて寝る」などあってはならないことなのでしょう。

 日本の電気代の高さは、家庭用で世界5位、産業用で世界2位という高額電気代になっている一方で再生可能エネルギーの宝庫ともなっています。

 政府は、原発にばかり依存する電気事業者に顔を向けるのでは無く、消費者の財布と自然に優しい再生可能エネルギーを追求すべきでは無いでしょうか。


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