まやかしの減税(ブログ3583)
- 2024年05月24日
岸田氏は、過去2年間で所得税や住民税が約3.5兆円増収になったことから、定額減税を6月から始めると約束しました。
サラリーマン世帯では、一人当たり所得税3万円住民税1万円の合計4万円、これが4人家族なら4万円×4人=16万円となります。
非課税世帯は減税が出来ない対象外ですが、1世帯当たり7万円の給付があり、年金受給者の非課税世帯は同じく7万円、副収入の有る方や厚生年金などが加算されて一定程度の額になっており、税金を納めている方は4万円の減税対象となり、自営業者の方は来年3月の確定申告で税金が免除となります。
さて、基本的な事は別にして、本当に政府は税収が増えているのでしょうか。
経済評論家の加谷珪一氏によると、「見かけの税収が増えているだけで、実質の財政状況が良くなっているわけではない。消費税で考えれば、1000円で物を買うと10%の100円の税収がありました。ここで、例えば物価が2割上がり1200円になると消費税は120円となり、20円分増え、税収が増えたように思われますが、実際には、政府がインフラ整備を行うとすれば、物価が上がっている分(原材料の高騰や労働者の賃金増等)支出も増えることになりますので、財政は潤っているわけ有りません。」と話しています。
だとすれば、見せかけの増収で実際には減税分を国債などで補填することになります。
しかし、国債を増やす事は首を絞めることに繋がります。
問題の円安から脱去するには金利を上げなければなりません。今、国債残高は1100兆円とも1200兆円とも言われていますが、仮に1000兆円とすれば金利2%分で20兆円です。消費税10%の税収が約20兆円ですから、金利2%にすると言う事は消費税を20%にしなければ賄えないということです。
いずれにしても、岸田氏は減税分は今後の増税で何とかなると思っているのでしょう。
減税だと喜んでいれば、「減税メガネ」はすぐに「増税メガネ」になってしまいます。