まん延防止要請へ
- 2021年05月04日
1日の感染者数が326名と過去最高を記録したことを受け、札幌市の秋元市長と鈴木知事が会談を行い、明日、政府に対し「まん延防止等重点措置」の対象地域としての要請を行う事になりました。
既に4月23日には、直近1週間の感染者が10万人当たり15名を超えて、まん延防止の基準を満たしていましたが、鈴木知事は政府が容易に指定をしないだろうと勝手に考え積極的な行動を行う事はしませんでした。
それ以前に、西村コロナ担当相へ行った水面下での打診で、手応えを感じなかったことが動きを鈍らせた要因だったと言われていますが、もしそうであれば、どちらを向いてコロナ対策を行っているのかと非難されるのは当然です。
政府がどう考えようが、基準は「まん延防止」を上回っていたのですから、戸惑うこと無く要請に踏み切るべきでした。
既に三重県、岐阜県、徳島県、福岡県も基準を超えており、政府にまん延防止の指定を要望していましたが、鈴木知事は菅氏との関係もあってか、様子見を決め込んでしまいました。今回、1年前の積極的な対応とは真逆の姿を道民、とりわけ札幌市民に見せたことは、知事にとって大きなマイナスとなるでしょう。
遅きに失しながらも、明日には要望を行うということですが、その結果何処までの措置を行うのかも注目をされます。
今までと同じような自粛要請だけでは、慣れてしまった方々に今までのような効果は期待できません。
当然、今回の感染拡大がどのような過程を辿ったのか、さらに、変異株がどのように影響したのかなどを検証し、それに見合った効果的な対策を講じなければなりません。
さらに、逼迫している札幌市内の医療機関への具体的な支援体制も求められます。
13日には、新たな支援策に対する道の補正予算が組まれて、それを審議する「臨時議会」も招集されますから、今までと同じようなパッチワークではない、効果の上がる対策を期待したいと思います。
さて、東京五輪のマラソン競技開催が真夏に行われる事から、札幌を会場に移して行われ、そのテストマラソン大会が明日行われます。
このことについて、多くの道民が矛盾を感じています。
学校の部活の禁止、スポーツイベントも制限されている中で、これだけは別というのでは筋が通りません。いくらテストマラソンは知事の権限でも市長の権限でも無く、国と組織委員会が決めたことと言っても、明日、まん延防止の指定を要請し、同じ日に大規模なスポーツイベントを行う、「国が決めたことだから文句を言うな」では、理解が出来ないと思います。このことについて、秋元市長と鈴木知事はどのような見解をお持ちなのでしょうか。
さて、政府は、緊急事態宣言解除を目の前にして、道を含めた5道県のまん延防止要請に素直に応じるのでしょうか。現在、緊急事態宣言地域が4都府県(東京都、大阪府、京都府、兵庫県)、まん延防止重点措置地域が7県(宮城県、沖縄県、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、愛媛県)となっていますが、新たな要請を受ければ、まん延防止重点措置地域が12道県となり、全体で16都道府県が該当することになります。
11日に緊急事態宣言が解除できる状況でも無く、さらに感染地域が増えれば、バッハ氏の来日に安全をアピールできなくなるのではないかと、指定を延期することも考えられます。菅氏の頭の中はスカスカではなく、このことでいっぱいになっていることでしょう。