やはり逆進性
- 2019年03月05日
消費税増税に伴う軽減税率に厳しい目が向けられていますが、財務省が家計への効果試算についてまとめました。
試算は、2018年の家計調査を基に階層別の消費支出額とシェアを計算、その上で軽減税率制度による減収額1.1兆円を各所得階層のシェアで割り、それぞれの階層ごとの軽減額(恩恵)を算出したものです。
その結果、
・年収238万円未満の低所得者層では約1,430億円の軽減となり、1世帯当たり約
8,000円程度の恩恵となる。
・年収355万円~500万円以下の中所得層では約2,190億円の軽減となり、(恩
恵額は報道に記載されていなかった。)
・年収738万円以上の高額所得者層では約2,880億円の軽減となり、1世帯当たり
約1万6000円の恩恵となりました。
軽減税率に要する1.1兆円のうち低所得者層への還元は1,430億円で、全体の13%程度ということになり、87%が中高額所得層への還元となります。
1世帯当たりに単純計算しても高額所得者層は低所得者層の倍の恩恵が有るという財務省の結果を見ても、軽減税率制度は低所得者対策にはまったくなっていなく、高額所得者になるほど恩恵が有る制度ということが解ります。
別の計算では、所得1,500万円の層は増税による負担増が年間約7万円に対し、幼児教育費無償化で約66万円のメリットが有り、所得が260万円以下の層では1万5,000円くらいのメリットしか無いとのこと、さらに、新車や住宅購入の支援策も盛り込まれており、やはり消費税の増税は、低所得者層が苦しむ逆進性で内包されていることが政府の試算で明らかになりました。