アクセルとブレーキ
- 2016年06月05日
今日のNHK「日曜討論」を見ましたが、出演していた自民党と公明党の議員は、この期におよんでもアベノミクスは効果を上げていると言い張り、「雇用が増加した、賃金が上昇した、税収が伸びた」と安倍晋三の言葉をそのまま伝えています。
貴方達の親分は、自分に都合の良い数字を使って説明することが得意の方です。
その最たるものが、サミットで披露したグラフです。
この時のグラフは、14年以降で最も価格が下がった今年1月の数字で、その後の価格上昇を考慮しておらず、当時は公明党幹部でさえ 「なぜあえて古い数字を使ったのか判らない」と首をかしげていた数字です。
これは、「何としてでもリーマン・ショック前と似た状況であることを演出したいがためのもので、無理がある」と話していることが新聞にも掲載されていました。
実体の伴わない数字を出して、誤った判断に導くこと、すなわち嘘を言ってごまかすことを「ペテン」と言います。
この方達の親分は「ペテン師」、いや、「詐欺師」なのです。
雇用が増加したのは、非正規労働者です。それでも、増えたというなら正職員と非正規職員別の雇用者数、そして、アベノミクスの3年半に失業した方々の数も明らかにしていただきたいと思います。
さらに、この5年間実質賃金は低下しているというのが、経済評論家の方々の意見ですが、そうでないというのなら、その根拠も示していただきたいものです。
税収が伸びたのは消費税を5%から8%にしたからで、その他にも酒税やたばこ税など庶民から吸い上げた税収が大半ではないでしょうか。
それが証拠に、うるう年の1日増が功を奏して、やっと「かすかす」という状況です。
一方、輸出産業は円安で「ウハウハ」、「戻し消費税」で、ダブルの「ウハウハ」、法人税減税でトリプルの「ウハウハ」となっていますが、今年の賃上げは昨年を大きく下回っており、儲けは労働者には廻したくないという大企業の本音が見えてきました。
極めつけは、「パナマ文書」です。
これまでのタックスヘイブンへの「カネ」の流れは、ケイマン諸島だけでも15年末で74兆円、1年間で11兆円も増えたて事が判りました。
この1年間分でも、消費税の約4%分に相当します。
すべてが、大企業や富裕層の税金逃れです。
そして、我が国の政府はこの税金逃れについて、調査を行わないと発表しました。
税金は、有無を言わさずに徴収できる、私たちの消費税からと言うわけです。
誰もが認めるように、「アベノミクス」は、大企業、富裕層のための政策であり、多くの国民は「おこぼれ」にあずかれば良いというのが「トリクルダウン」です。
「これからもアベノミクスを最大限にふかす」、アクセルを踏むと言うことは、これからも大企業と富裕層のための政策を最大限に行うということに他なりません。
そして、ブレーキをかけられるのは、輸入物価の値上げと重い公的負担、社会保障の削減と進まぬ賃上げに苦しむ多くの国民と言うことになりませんか?日曜討論に出席した自・公の国会議員の方々。
日興證券のアナリストも指摘していましたが、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなアベノミクスでは、車は少しも動かずに壊れてしまいます。