アスリート・ファースト
- 2018年07月25日
東京オリンピックの開催時には日本が毎日のように「猛暑日」となり、選手や観客が熱中症になるのではないかと心配する記事がアチコチの新聞に掲載されています。
東京オリンピックの開催が決まった時から、7月の開催について、有識者の間で疑問が投げかけられていました。
ここ数年で平均気温が上昇し、西日本だけではなく北海道まで30度超えの日々を経験することになり、何と昔では考えられないクーラーが今は必需品となっています。
今から54年前の東京オリンピック、当時の私は小学校4年生でした。
10月10日開会式が行われ、秋晴れの好天の中、各種の競技が行われ、日本人の活躍も有り、大いに盛り上がった記憶が有ります。
それが、いつの間にか夏期オリンピックは本当に真夏のオリンピックとなってしまいました。
その大きな原因は、オリンピックの商業化ではないかと思います。
オリンピックも種目が増え、いつの間にかアマチュア・スポーツの祭典にプロの選手が参加するようになり、バスケットボールでは米国がドリームチームを結成したり、野球もプロ中心の選手構成となりました。
最近では、サッカーもそうですし、ゴルフやテニスもプロの選手達です。
そうなると、それぞれのスポーツの公式試合が年間を通して組まれていますから、各スポーツの公式試合に影響が無いようなスケジュールを組まなければならなくなり、オリンピックの開催時期がそれに影響されるという本末転倒な事が起きてしまいます。
今は、それぞれのスポーツにワールドカップや世界選手権などが有り、オリンピックだけが世界一を争う場では無くなっており、毎年、その年の世界一が決まります。
そうすると、あえて4年に1回世界一を決める意味が薄らいでいるような気もしますが、逆に4年に1回だから価値がある(商業的にも)という一面も有るのからもしれません。
さらに、試合時間が開催地の時間ではなく、欧米、とりわけ米国のゴールデンタイムに合わせるために平気で早朝や深夜に行われる事が多くなってきました。
これも多額の資金で放映権を獲得したスポンサーへの配慮という事になります。
アマチュアの祭典がいつの間にかプロのアピールの場となり、開催費用の捻出のためにスポンサーの要望を受け入れ、結果、開催時期も過酷な真夏となり、選手の体調が不十分な時間に試合を行わなければならない始末です。何か変ですね。
何はともあれ、世界中が楽しみにしているスポーツの祭典であれば、「アスリート・ファースト」、選手のことを一番に考え、最高の環境の中、十分なコンディションで世界レベルのパフォーマンスを表現する場を提供することがIOCと開催国の責務だと思いますが、いかがでしょうか。