アフガンとペシャワール会
- 2021年08月27日
混乱を極めるアフガニスタンに滞在する大使館員等を退避させるために自衛隊機がアフガンに向かいました。
自衛隊機には自衛隊員が搭乗し、現地空港で日本人を安全に救出できるように任務に就きますが、空港内から外はタリバンが実権を掌握しており、街の中や空港は当然ですが、道路には検問所が設けられ、タリバン戦闘員が銃を向けて街から出さないようにしていますし、今日は、イスラム国が空港近くでの爆破を犯行声明し、米兵20名を含む約160名が死傷しました。
現地の大使館員等は、自力で空港内までたどり着かなければならず、救出は困難を極めます。米軍も駐留して救出を手助けしてくれるでしょうが、バイデン大統領が31日までに米軍を撤退をさせるようですので、残された時間は多くはありません。
一方、空港近くが非常に危険なため、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダの欧州各国は撤退を中止しました。
さて、アフガニスタンと言えば、長年医療活動や用水路建設に尽力し、2019年現地で凶弾に倒れた中村哲医師が活動していた「ペシャワール会」のメンバーが今も約100人ほど滞在しています。
反武装勢力のタリバンが首都を制圧して以降、事業の一時中断を余儀なくされていますが、それでも情報によると21日から現地の要望を受けて同国東部ナンバルハル州の山間部にあるダラエヌール診療所で診療を再開、医師・看護師・薬剤師など14人が医療活動に就いています。
他にも、タリバンの支配下となった東部のジャララバードでも状況を確認した上で事業の再開を検討するとのこと。
一方、タリバンも現地で活動するNGO・「PMS:ピースジャパンメディカルサービス(平和医療団日本)」のことは知っているようで、タリバンの広報官はFNNの取材に対し、「我々は、日本人のアフガニスタンからの撤退を望んでいません。しかし、自衛隊は退去してほしい。」、「我々は日本人を保護する」と述べて現地の日本人が退避しないように呼びかけたうえで「軍の駐留は好ましくない」として、日本人の国外退避の支援を理由に派遣される自衛隊には早期の撤退を求めています。
そして、25日に自衛隊の輸送機がイスラマバードに到着しました。
しかし、未だ邦人が退避した事は伝えられていません。
また、政府は、大使館等の日本人関係者以外でアフガンにて活動している、PMS、ペシャワール会などの退避について、当事者団体やタリバン、米軍などと調整が取れているのでしょうか。
そして、救出が安全にそして成功裏に終了する展望を持っているのでしょうか。