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アンダーコントロールの嘘

  • 2016年08月21日

 帰還困難区域の除染に国費が投入されることになりました。

 政府は、避難されている住民に対し、除染を行った地域(自治体)に帰還するように進めていますが、ご存じの通り除染が予定通り進まず、東電はその負担が重荷になり、政府に救済を求め、、政府は東電を救済するになります。

 東電が負担する除染費用も、政府当初試算の2兆5千億円から2兆9千億円まで上昇し、最終的にはさらに膨らみ、数兆円規模に及ぶ可能性を含んでいます。

 政府も、このまま避難民の帰還が遅れれば賠償問題を長期にひきずる結果にもなりかねず、とにかく1日も早く帰還して欲しいという利害(?)が一致したということなのでしょうか。

 一方、フクシマ第1原発の廃炉は全く先が見えず、これも数兆円規模の費用となりますが、いくらかかるのか、いつまでに廃炉になるのかまったく見通しは立っていません。

 政府は、除染と廃炉で9兆円を試算していましたが、記載したとおり全く先が読めません。

 さらに、さらに、汚染水対策として行われている「凍土壁」ですが、7月19日の原子力規制委員会の有識者会合で、フクシマ原発の汚染水対策の決め手となるはずだった「凍土壁」が失敗に終わったことを東電が認めました。

 この凍土壁も、当初、トンネル工事などで一時的に地下水を止める工法で、恒久的な工法ではないことが専門科からも指摘されていました。

 凍土壁は6月に完成しましたが、汚染水が減少することもなく、これまで規制委が「壁になりきらず、隙間だらけで地下水が通り抜けているのでは?」と疑問を呈し、これに対し東電が「凍土が形成されていないかもしれない箇所にセメントを流し込む」といった一時逃れの手法をとりましたが、やはり効果は無く、19日の会合では「完全遮断は無理である」と告白しました。

 この凍土壁にも、約350億円の財源が投入されています。

 ことさら左様に、原発は、事故が起きるとその対応にかかる費用が青天井となってしまいます。

 責任企業の東電も費用負担が出来ず政府に泣きつく始末で、この対応には国費=税金が投入され続けます。

 そこまでして原発を維持し、再稼働させなければならないのでしょうか。

 原発は決して安価なエネルギーではなく、究極の高いエネルギー、超高価なエネルギーと認識しなければなりません。

 そして、安倍晋三は東京オリンピック招致のため、世界に対し「フクシマはアンダーコントロールされている。東京の安全は私が保証する」と言いました。

 「フクシマ第1原発の廃炉」、「放射線物質の除染」、「汚染水の除去」、どれをとってもまったくアンダーコントロールされているところか、一つも解決していないにも関わらず、世界に得意の「嘘」をついても平然としている安倍晋三。

 世界がこの事実を知ったら、リオのジカ熱や犯罪多発どころではなくなります。果たして東京オリンピックに喜んで参加してくれるのでしょうか。

 

 ※なお、22日から3日間、道議会経済委員会道内視察となりますので、ブログはお休みさせていただきます。


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