アンモニアから水素
- 2017年04月09日
トラック・バス用電装品やポータブル発電機、ポータブル冷蔵庫などを主要製品として製造販売している澤藤電機が、岐阜大学との共同研究で、アンモニアを原料とする低コスト・低環境負荷・高効率の水素製造機の試作機を開発しました。
プラズマを使用することで常温・常圧・無触媒でアンモニアから高純度水素を製造する「プラズマメンブレンリアクター」を「開発し、「プラズマメンブレンリアクター」と「プラズマ発生用高電圧電源」を組み合わせた水素製造装置の試作を開発、この装置から得られた水素は99.999%を達成し、この水素を燃料電池に用いての発電も確認。
今後はアンモニアを貯蔵し、水素製造装置により必要な時に必要な場所で水素を供給出来ることから、産業用・家庭用燃料電池発電機や燃料電池車等への普及が期待されます。
これまで、水素の貯留・運搬には700気圧程度で圧縮するか-252.9℃に冷却して液化する必要が有り、次世代のエネルギーとして期待されてはいましたが、水素のインフラには多額の費用がかかり、水素ステーションの普及も低迷状態でしたし、水素車も高額で汎用にはかなりの時間がかかるものと思われていました。
アンモニアを水素車に使用した場合、同じ距離を走るのに必要なコストはガソリンの十分の一程度、ガソリン満タンで60ℓ×130円/ℓと仮定すると7,800円ですが、たったの780円で済むことになります。
さらに、有害ガスの排出も無くなり環境にも優しく、将来的には「水素製造装置」を車載出来れば水素ステーションも必要なく、アンモニアを供給すれば燃料電池自動車を走らせることが出来ると言います。
車だけではなく、この装置とアンモニアがあれば、地方でも途上国でもどこでも燃料電池発電で電気を供給するが出来るという優れもので、災害での停電にも応用できます。
もう、原発などという重い発電の時代ではないのかもしれません。