イクラの窃盗事件
- 2017年11月01日
道内のサケふ化場のあちこちで雌のサケから卵を抜き取り、採卵した後のサケを大量に廃棄する事件が多発しています。
被害があったのは
・10月10日:八雲町の遊楽部ふ化場で、水槽の雌サケ約25匹から卵約20kg(約
16万円相当)
・10月24日:岩内町で、雌サケ約170匹から卵約87kg(約69万円相当)
・10月25日:函館市大船ふ化場で、雌サケ約96匹から卵約77kg(約61万円相
当)
・10月26日:上ノ国町の上ノ国ふ化場で雌さけ18匹から卵約17kg(約13万円
相当)
となっており、上ノ国では昨年9月にも主に雌さけ約500匹が盗まれたと言うことです。
今年はサケの全体捕獲量が例年の3分の1しかなく、サケ本体も高騰していますが、それ以上に赤いダイヤと言われるイクラの値段も軒並み高騰しています。
これまでに判っている被害だけで約201kg、約159万円相当と言うことになりますし、一カ所で大量のサケの腹を引き裂いてイクラだけを盗むということは、素人が出来心でやったとは思えず、組織的な犯行、それも反社会的組織の犯行と見るべきではないでしょうか。
密漁と言えば、これまでウニ・アワビ・ナマコなどの高級海産物が主流でしたが、今年はサケの不漁が響いていることから品薄となり、そこで高騰しているイクラに目を付けたものと思われます。
これまで市内のスーパーでは、豊漁のシーズンで生イクラ100g約300円ほどでしたが、今年はどんどん値上がりし1,000円以上となっています。
これでは、一般家庭でもイクラは高値の花で、今年のお正月に向けてイクラを用意することも出来なくなって来ていますし、調理済みの製品となったイクラは1kg1万円を優に超える値が付いています。
回転寿司のイクラも品薄状態が続き、まさしく高級素材となっています。
ここに目を付けた犯罪ですが、これほど大量のイクラをどのように売りさばくのか。
市場に出回るとしてもどのようなルートなのか、正規のルートではトレーサビリティーによる産地の表示がなされますし、産地がはっきりしなければ市場外での取引でも買い手が付かないでしょう。そうなると闇のルートと言うことになりますが、闇の場合、「訳あり品」と言うことになり、売値を買いたたかれるの必至で、割に合わなく無くなります。
そうなると、インバウンドによってイクラの味を知ってしまった近隣諸国の富裕層に売りさばく事も考えられます。
道南では民営、道立含めて20カ所のふ化場があることから、これ以上の被害を防がなければ、ふ化・放流事業にも影響が出ますし、ひいては今後のサケ漁へも大きなダメージとなりますので、早急にふ化場の警備の強化や防犯カメラの設置などの対処を行いが必要となります。早急な防犯体制が望まれます。