イランと米国
- 2019年07月10日
イランが、ウラン濃縮度を20%に高める可能性を警告したことが、報道されました。
米国が微妙なバランスにあった核合意から勝手に離脱し、イランに経済制裁という圧力を強めた結果、原油輸出が制限され経済的に窮地に追い込まれたイランが、「圧力には抵抗しかない」と強調し、その報復措置として核開発への道を歩み始めました。
これは、どこかで経験した話に繋がります。
そうです、北朝鮮と米国の関係です。
米国は、北朝鮮の核開発を阻止するために国家元首である金正恩の命さえターゲットにし、あまつさえ北朝鮮の国家体制まで変えてしまおうとしていました。
いや、今でも核開発だけではなく全ての核廃棄を求めて圧力と対話を使い分けています。
イランにも、同じように圧力をかけ、先般は米国の無人機を撃墜したことを理由にイランの核施設を爆撃する命令を出し、トランプ氏いわく「出撃命令を出し、戦闘機が出撃したが爆撃10分前に中止を命じた」とツィッターしました。
イランと敵対するイスラエルも、「イランが核開発をやめなければ核施設の空爆など大胆な行動をとる可能性もある」とし、サウジアラビアも自国の核開発に意欲を示し、アラブ首長国連邦も核開発することを前提に原発を開発するとのことです。
トランプ氏が表れてから、世界は平和に進むどころか加速度的に不安定な状況へと転げ落ちています。
日本の安倍晋三氏がイランに行って仲介役を果たしたと言っていますが、全く役に立たないどころか、そのことによって火に油を注いだ結果になったのではないかと思います。