オスプレイの事故報告
- 2017年09月19日
琉球新報に、昨年12月に名護市安部に墜落したオスプレイが、墜落前に救助を求める「メーデー」を2回発信しているという記事が掲載されました。
抜粋しますと
「米軍はこの事故に対し、これまで『制御された緊急着水』と主張するが、メーデーとは、機体が制御不能に陥った事を意味する。明らかに矛盾する。事故原因をパイロットのせいにし、頑なに機体の欠陥を認めない姿勢は異状だ。
米軍の事故調査報告書によると、墜落したオスプレイは、空中給油を何度か試みたが、MC130(ヘリコプターへの給油機)の給油口への接続に失敗、着陸燃料量の低下を受けて即時帰還の警報が出た。オスプレイはその後も接続を試みたが、MC130との正常な距離が保てず、給油口は揺れ、右プロペラに接触。
回転翼の回転速度が低下し、バランスのとれた飛行が出来なくなり、1度目の『メーデー』を発信した。その後も操縦室内の通信装置に異常が見られ、激しい揺れのためにバランスを維持できなくなり、2度目の『メーデー』を発信した。
オスプレイはヘリモードでの制御が不安定で、空中給油が出来ないという構造上の欠陥を抱えている上、固定翼モードでも機体の前部に給油口と大きなプロペラがあるため、乱気流などでホースが安定せず接触すればプロペラを壊す危険性がある。
制御された緊急着水ならローターなどの軽微な損傷で有るはずだが、報告書には左翼が見えず、操縦席が機体から垂直に曲がった様子の記述などもある。
米国国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏が指摘するように『着水後の損傷ではなく、衝撃を受けた後の全く制御されていない状態での墜落』である事は明らかだ。」
と掲載されています。
機体の前に給油管を伸ばしていくオスプレイは、まさしくヘリモードではプロペラから下方への空気の流れが強く給油管は不安定になり、固定翼では少しのぶれでプロペラに給油管が接触するのは想定されますが、今回でそのことが明らかになりました。
しかし、米軍はこの報告書を公にすることはなく、隠蔽したままですし、政府も多分見て見ぬふりでしょう。
なぜなら、日米地位協定における機密事項であると共に、防衛省も来年からオスプレイを導入することから、今更、事故原因が機体の構造上の欠陥とは認めるわけにはいかないという日米双方の思惑が一致するからだと思います。
国民の安全確保や情報開示は二の次である事に憤りを感じます。