オリ・パラの開催は
- 2020年07月18日
今日の道新に、来年の東京オリンピック全日程が見開きで掲載されていました。
昨日、組織委員会の森喜朗会長がIOC総会後の記者会見で、「日本の事情だけで決められるものでは無い」と話し、組織委員会が規定方針通り延期後の新たな競技日程を発表したことを受けての掲載なのだと思います。
森会長は、たとえ話として「一生懸命組織したものが完成せずに終われば、無駄に終わる。保証とか弁償などに対して、誰が弁償するのか。そういうことを考えれば、倍とか3倍になると言うことが分かるんじゃあ無いかな」とも述べました。
延期後の日程は、今年の予定をそのまま引き継ぎ9都道県42会場、五輪史上最多の33競技339種目も変更はありませんでした。
森会長は、たとえ話をしましたが、この国は「一度決めた事は変更しない」ということに固執しすぎていると思います。
「もしも、中止になったら」などと話をすることも憚られ、「そんなことを言うもんでは無い、縁起が悪い」と叱責されてしまいます。
しかし、何があるか先のことは誰も判りません。
従って、「次善の策」を考えるのはリスク軽減上、当たり前のことであることはその論を待ちませんから、A案がダメならB案、さらにC案と考えておくことは当然のことです。
来年、通常開催がA案とするならば、コロナの感染状況によって競技縮小での開催の場合、開催国減少での場合、無観客の場合、開催中止の場合などそれぞれシュミレーションをしてリスクを最小限にすることが必要ですが、今の組織委員会ではトップの頭が固いのか、それともマリオ・安倍晋三氏のメンツがかかっているからか、多額の経費を負担をしている小池都知事に相談できないからなのか・・・。
このままでも、来年への延期による追加費用は数千億円と言われ、IOCは最大6億5,000万ドル(約695億円)しか追加支出をしないと表明しています。
東京都はコロナ対策で、約9,000億円あった財政調整基金の多くを取り崩し、今は約500億円程しか残っておらず、小池都知事は「簡素化、費用縮減を進め、都民、国民の理解を得られる形で進める。」と話していますが、果たして、その時まで知事をやっているのかさえも判りません。
さらに、協賛金3,480億円を拠出したスポンサー企業78社との契約は、今年12月末までで切れてしまいます。
そのために延期に伴う追加の協賛金交渉が7月から始まっていますが、NHKが協賛企業に契約延長についてアンケート調査をしたところ、65%の企業がコロナウィルス感染症を懸念して「未定」となっており、契約延長は12%に止まっています。
ある企業では「東京の感染者が拡大する状態で開催できるのか、開催した場合の感染対策はどうなのか、何も提案が無い中では追加費用と言われても返事は出来ない。」と話しており、当然中止となった場合の説明も求められています。
しかし、交渉を担う電通は、「組織委員会と検討中ですが、何も決まっていない。」と困惑しています。
企業とすれば、当然リスクを最小限にしなければ株主の理解も得られません。
組織委とすれば考えたくもないかも知れませんが、A案だけでは無く、B案、C案を提案しなければ、追加の協賛金も集まらず、またもや何が何でも開催するというメンツのために税金を投入すると言うことになります。
コロナ禍を目の前にして、それほどまでして開催することを国民は「是」としないと思います。