オール北海道で鉄路維持を
- 2016年12月28日
北海道の鉄路を守るのはいったい誰なのか、まったく判らなくなってしまいました。
JR北海道がこのまま推移をすれば、後3年で破綻するだろうと言われています。
JR北海道は道内鉄路の半分に当たる10路線13線区の廃止を含む見直しを11月に発表し、道民の驚きを誘いましたが、その後の各関係団体の動きは責任の押し付け合いの様相を呈しているようにに思われます。
JR北海道は、関係自治体との協議会を発足させたくアプローチをしていますが、関係自治体は協議会に参加することによって「バス転換」や「上下分離方式」を具体的に迫られるとの思いから、2者による協議会への参加に否定的となっており、むしろ、協議会を作るのであれば北海道も参加すべきとの考えのようです。
北海道は、協議会に参加することになれば「金」を出さなければならなくなることを危惧し、参加に二の足を踏んでいます。
国は、協議会に入ることはやぶさかではないが、国と北海道とJR北海道の三者での協議会をイメージしているようです。
ナゼかと言えば、関係自治体が入ることによって個別の路線の存廃に事が及ぶことになり、これらの路線に関わり国がJR北海道に支援を行えば、国内の多くの赤字ローカル線との整合性や均衡が保てなくなるとの思いがあるからだと推察します。
そこで国は、北海道自らが道内公共交通に関わる将来ビジョンを示さなければ、協議に入れないとしています。
北海道は、自らその構想を示すことなく、学識経験者や町村会などで構成される専門家委員会の中のワーキングチーム(WT)に丸投げしており、その答申が来月1月中に出されますが、このWTも個別路線に対する見解を出すことはないようです。
要するに、誰もがリスクも恐れずに前に歩み出す事を避けていると言うのが現状のような気がします。
この問題は、これらの関係団体だけではなく、観光への影響を考えれば経済界も、農林水産物の出荷をJR貨物に頼っている一次産業も、全てオール北海道として考えなければなりません。
そして、道議会も単に議会で「道はどのように考えているのか」とか「JR北海道との話し合いはどうなっているのか」などという質問をするだけではなく、JR北海道や、WT、一次産業界や経済界などとの意見交換や参考人招致、国へのアプローチ、鉄道専門家からの意見、海外の鉄道の研究などを行い、独自の取り組みを超党派で行う必要が有ると考え、既存の「新幹線・総合交通対策等特別委員会」でその任を担っていただこうと会派役員会に諮り、特別委員会理事や正副委員長などに働きかけた結果、賛同をいただき、今後議会としても動き始めることになりました。
この特別委員会に期待しつつ、そして、道民の不安を少しでも早く取り除けるように私も様々な発信していきたいと思います。