カント著:永遠平和のために
- 2022年05月29日
26日から28日まで、ブログをお休みしました。申し訳ありません。
18世紀の哲学者イマヌエル・カントは、その著書「永遠平和のために」で、「常備軍の廃止」、「軍事国債の禁止」、「内政干渉の禁止」の他、「国際連合」の重要性などを説いていました。
その理由として「常備軍はいつでも武装して出撃する準備を整えていることによって、他の諸国をたえず戦争の脅威に晒しているからであり、常備軍が刺激となって、互いに無制限な軍拡を競うようになると、それに費やされる軍事費の増大で、ついには平和の方が短期戦争よりもいっそう重荷になり、この重荷から逃れるために、常備軍そのものが先制攻撃の原因となるのである。」と、214年前に喝破していました。
まさに、今の日本の姿を映し出しているのではないでしょうか。
国を守るには抑止力の増強が必要だとして、今の倍の予算を防衛費に費やそうとしており、抑止力は無制限に拡大する方向になっています。
また、そのための予算を国債(つなぎ国債)で賄おうとしていますが、これはまさしく軍事国債というべきものです。さらにこの国債の返却は、消費税の増税などを財源としなければ賄えません。
そして、戦争の端緒の多くは相手国への内政干渉となっています。
カントの「永遠平和のために」は、読んだことが有りませんが、NHKEテレビの番組の「100分で名著(1回25分番組)」において、太平洋戦争の終戦にちなみ、2016年8月1日(月)から4週にわたって放送されました。
「100分で名著」は、国内や世界の名作を、解説を交えて読み解くという番組で、私も折に触れて視聴していますが、この時の放送は見逃してしまいました。
あためて今の国際状況や、それに乗じて日本が危険な動きをしているこの時期に、再放送してほしいものだと思います。