キタデミー賞運営費が調停
- 2020年01月23日
18年に行われた「北海道命名150年記念事業キックオフ特別イベント『キタデミー賞』」に関わる民間イベント会社への運営委託費が膨大な額として請求されたことに関し、北海道は札幌簡易裁判所の調停案を受け入れたことを明らかにしました。
このキタデミー賞は、18年2月5日に開催され、キックオフイベントを米国のアカデミー賞に見立て、北海道にゆかりのある人物や歌、取り組みなどを受賞形式で行う事で北海道の魅力を発信する目的で行われ、メインMCにテレビでおなじみの羽鳥慎一キャスターを据え、福井健二、鈴井貴之、石沢綾子、森さやかの面々がそれぞれ進行役となり、俳優の(故)樹木希林さん、吉永小百合さん、映画監督の山田洋次さん、歌手の北島三郎さん、パラリンピアンの辻紗絵さん、旭山動物園園長の板東元さん、CMでおなじみの白戸家のお父さん役のカイト君等が登場し、アカデミー賞のようにレッドカーペットでの入場、出演者の北海道との関わりを映像などで紹介し、表彰するという内容で、私たち(道議会議員)にも案内がありました。
当日はドレスコードがあり、女性はドレスか着物、男性は正装に蝶ネクタイ着用というもので、私も新たに蝶ネクタイを購入して出席しましたが、招待者席は空席が目立っていました。
当時、このキックオフイベントの内容には議会からも賛否両論があり、北海道命名150年記念事業として、芸能人を中心としたエンターテインメント性の強い内容とするよりも、命名前から居住していたのアイヌ民族の生活や、そこから150年間に渡り北海道開拓を行ってきた先人たちに思いを馳せ、無名の方々などに光を当てた内容とし、多くの道民が参加できるイベントにすべきではないか、そして、イベントに多額の支出をすることにも意見を述べてきました。
しかし、その時は既に道とイベント会社との間で企画が先行しており、出演者のスケジュールも押さえたということもあって、それ以上の事は言いませんでしたが、どのような内容なのかをこの目で確認したいこともあり、イベントに参加したものです。
しかるに、道とイベント会社の間で運営委託費について、当初から明確な合意の無いままイベントが実行され、当初予算を7倍以上も超える約6502万円が道に請求されていたさえも議会に報告が無いまま、この度の調停によって圧縮されたとしても2805万円を支払いすることとなったことに唖然としました。
民事調停法において、「調停の手続きは公開しない」という規定があるものの、経費総額やその負担についてお互いに認識していないままに実行し、事後になってから言い値を言われて民事調停に、とはあきれてしまいます。
当然、今後は議会にも説明があると思いますが、行政としての落ち度は明らかだと思います。
高橋はるみ前知事主導で決定し、その後イベントが実施されました。運営費の不備を知事が知ったのはその4ヶ月後であったにしても、契約書の締結もしないまま実施したという前代未聞の行為に対する高橋前知事の責任はまるがれません。
従って、調停後の差額に税を投入することが適当なのか疑問です。
高橋前知事が差額を支払うべきという訴訟が起きてもおかしくない問題であり、道議会としても、支出に関わる補正予算審議には高橋前知事の参考人招致も含めて対応すべきと思います。