ケニア撤退、本当の事情は
- 2016年11月07日
南スーダンに兵士を派遣しているケニアが、約1000名の派遣軍の撤退を決め、今後和平協議にも一切関与しない方針を示しました。
南スーダンの隣国にあたるケニアの撤退と和平不関与は、国連PKO南スーダン派遣団(UNMISS)にとって大きな打撃となってしまいます。
ジュバの戦闘(安倍晋三、菅官房長官、稲田防衛相は戦闘では無く衝突と言っている)では、政府軍兵士がUNMISS司令部から1kmにある宿泊施設を襲撃して市民を殺害、女性らに暴行をするなどの残虐行為が繰り広げましたが、救助要請を受けたUNMISSは動こうとしませんでした。
しかし、出動しなかったのは、単に、司令官が指導力を発揮しなかったのということではなく、現場の危険性が高まっており、出動したらUNMISS軍の兵士にも相当の犠牲が伴う事がかなり濃厚に想定されたからではないでしょうか。
これまでの戦闘では中国人兵士2名が死亡、中国はPKOからの撤退も検討していると言われています。
南スーダンPKOでこれ以上の死傷者を出せば、死傷者関係国が派遣をためらうことは当然懸念されます。
日本が今回、自衛隊の派遣団に駆け付け警護を付与するようですが、このような事態になった場合、要請に応えて現場に駆け付けなければ国民に非難され、駆け付けた結果死傷者が出れば、同じく国民に非難されます。
マスコミは、南スーダンの状況について、安倍晋三の「落ち着いた安全な場所」、稲田防衛相の「戦闘行為ではなく散発的な衝突」などというような話を、今でも多くのマスコミがそのようですが、そのまま報道するという「大本営」のようなことは慎まなければなりません。
南スーダンPKO派遣は、今後も注視しなければならない問題ですし、マスコミは現実の現地状況を詳細に国民に伝えなければ、報道機関としての信用を失墜することになります。