ケースワーカー不足(ブログ3690)
- 2024年09月18日
今日の新聞に、帯広市のケースワーカー不足の事が掲載されていました。
生活保護の根幹を担うケースワーカーの配置基準は、一人80世帯、月に1回家庭訪問をして生活状況などを調査し、就労への支援や日々の悩みなどの他、生活指導などを行っています。
ケースワーカーは生活保護の継続を判断する他、資産の調査や保護費の加算などを決定を行うことから公的判断が求められる正職員が行う業務です。
帯広市では、実態として一人約100~140世帯を受け持つ事が常態化しており、基準の80世帯とすれば9人が不足しており、ケースワーカーを指導する査察指導員も基準より2人少ない5人だったことも判明し、北海道の特別指導観察を受けたとのこと。
さらに加えて、帯広市では足りないケースワーカー分を会計年度任用職員で補っていたことも分かり、このことも指摘されました。
この問題は各市でも共通した課題で、函館市も例外では無く長年抜本的な解決には至っておりません。
函館市の場合は恒常的に120世帯ほどを担当しており、当然のようにひと月に1回の巡回が物理的に不可能な状態も見受けられましたが、現在は少し改善し、平均約95世帯ほどとなっています。しかし、巡回が月をまたぐこともあり、正常な状態ではありません。
また、市のケースワーカーは、人事上の方針として新人の若い職員が配置されています。
これは、市の業務には様々なものがあり、生活保護のケースワーカーを経験することで、
市民生活を守ることの大事さを今後の自治体行政に中で生かして欲しいという意味が含まれています。
しかし、社会に出て初めての仕事が生活保護のケースワーカーということは、客観的に見てもおかしいのでは無いかと疑問を持ちます。
生活保護世帯は、片親や仕事にも付けない事情が有ったり、低所得で厳しい生活をしている世帯や、障がいが有り就労が出来ない世帯、中にはアルコール中毒や麻薬中毒、暴力的な方もいます。
このような世帯に社会経験の乏しい若い職員をケースワーカーに配置し、指導員からの指導が終了すれば一人で対応しなければず、メンタルに陥ることや若い女性などは危険な目に遭うことも想定されます。
ケースワーカーは、社会経験を積んだ一定の年齢の方が配置されるべきで、人事上の方針も見直さなければならないと思います。
いずれにしても、各自治体は、厚労省の配置基準を遵守し、人事上の配慮も行って、正常な体制を取らなければなりません。