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コロナ禍とカジノ

  • 2020年05月15日

 日刊ゲンダイに、米国大手のカジノ業者である「ラズベガス・サンズ」が12日、日本でのカジノを含むIR事業の進出を断念すると発表したことが掲載されていました。

 トランプに対する大口寄付者で、パトロンのような存在であるアデルソン最高経営責任者(CEO)が、「日本におけるIR開発の枠組みでは私たちの目標達成は困難である。」、「今後は日本以外での成長機会に注力する。」と声明を発表、横浜や大阪に触手を伸ばしていたカジノの最有力候補が断念したことは、他の候補地に現地事務所を置いて誘致活動を行っているほかのカジノ事業者にも少なからずの影響を与えるものと思います。

 すでに、本道では、苫小牧市に事務所を構えていた事業者が撤退を明らかにしていますから、日本国内におけるカジノの熱気も一気に冷え込むものと思います。

 コロナ禍により、ホテルや全てのエンターティメント、そしてMICEなどが世界的に苦境にある中、世界にカジノを展開しているサンズの施設も閉鎖に追い込まれるなど、収益悪化が増大し、新たに日本に100億ドル(約1兆700億円)もの投資を行う余裕など無くなっているのが正直なところのようです。

 コロナ後のV字経済回復を目論んでいた安倍晋三氏ですが、「コロナ以前」のような経済に戻るには、相当の年月が必要となると多くの経済専門家が話しているように、まずは、コロナによる大企業や中小企業、そして小規模事業所や個人事業者が被ったダメージをどのように回復するのか、また、外出自粛や休業要請の影響などで職を失った方々の雇用をどの様に再構築していくか、このことに全精力を投入しなければならないでしょう。

 そんな時にカジノに大金をつぎ込む輩は、ほぼいないということになります。

 日本におけるカジノは、コロナによって駆逐されたということになりそうです。


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