サハリン2
- 2022年07月03日
さっそく、やってくれました。
ロシアがサハリンで展開している「サハリン2」に関して、プーチン氏は、運営会社の「サハリンエナジー」から日本企業を締め出し、国営にするための大統領令に署名し、無償譲渡を求めました。
これまで、サハリン2には日本の三井物産が12.5%、三菱商事が10%出資しており、この大統領令が発効されれば、やらずぶったくりでロシアが没収することになります。
サハリン2は94年に、開発企業である「サハリンエナジー株」の55%を英蘭シェルが、残りを日本の三井物産が25%、三菱商事が20%取得して、全出資を海外企業が持つ形でスタートしました。この時の出資総額は100億ドル。
その後、05年にはサハリンエナジーが開発費の増大から総額を200億ドルとして出資を要請。06年に、ロシアの「ガスプロム社」が参加し、50%+1株を取得、それに伴い、英蘭シェルが27.5%-1株、三井物産が12.5%、三菱商事が10%と減資しました。
しかし、100億ドルが倍の200億ドルになったわけですから、外国資本の持ち株が半減となっても出資総額は変わらないということになります。
さて、北海道はその地政学的、歴史的な経緯からロシア・サハリン州とは友好州を締結しています。
その事もあって、これまでに道内の金融機関はじめ断熱工法を売り込みたい建設業や、食品関係、飲食関係の企業などが現地に法人を設立して経済活動を行い始めましたが、専制政治の国にありがちな、賄賂の壁や、契約の不履行、いちゃもんの類い、経済関係法の不備などで、原材料を横領されたり、違約金と称して金銭を要求されたり、店舗や会社まで接収されたりし、現在では、ほぼサハリンで経済活動をする日本企業は無くなってしまったのでは無いかと思います。
今回のサハリン2の問題で、道議としてこれまで見聞きしてきたことを思い出しました。
政府は今後、三井物産や三菱商事が多額の損害を被る事は阻止しなければなりませんし、何より、日本は戦争の当事者では無いですし、自由貿易に関わる国際ルールの遵守の原則からも、LNGを含めた日本の権益をきっちりと保証するように強く働きかけなければなりません。
このようなことがまかり通れば、今後、ロシアは他国からの出資を得ることは不可能となるでしょうし、世界から相手にされなくなるでしょう。