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ジャニーズ事務所と報道(ブログ3199)

  • 2023年04月26日

 いつから報道は、保身に走り臆病になってしまったのでしょうか。

 これまでも政府関連の様々な事件について、本質を探るという本来の使命を放り投げ、忖度を繰り返してきましたし、東京五輪に至っては、全国紙が全てスポンサーとなっていることから、贈収賄・談合事件も表面だけの取材で報道もおざなり、組織委員会に問題調査のための第三者委員会をも要求せず、五輪は国策だからと「触らぬ神にたたり無し」を決め込んでいます。

 なにより、政府首脳と新聞各社(関連テレビ会社含む)のお偉方が、高級料理店で頻繁に会食しているという事実、またその事に対してもジャーナリスト精神など持ち合わせずに開き直っている姿は醜悪そのものです。

 今回のジャニーズ事務所における事件、創業者であるジャニー喜多川氏が頻繁に繰り返してきた10代の少年達への「性的虐待」。

 告発者である元ジャニーズJRの「カウアン・オカモト」氏が、日本のマスコミでは無く「日本外国人特派員協会」で記者会見したのは、既報されているように、日本のマスコミに話しても問題視されない恐れあったからであり、その通りに、明らかになった今でも重大案件として取り上げるマスコミの気概は、あの朝日にも、東京新聞にもありませんでした。

 ジャニー喜多川氏によるタレントへの性被害は、1967年に「女性自身」が、1988年には「元フォーリーブスの北公次氏」がその著書で告発、1996年には「元ジャニーズJRの平本淳也氏」が自著で触れ、1999年には「週刊文春」特集記事を掲載、ジャニー氏とジャニーズ事務所が名誉毀損で告訴しましたが、2004年にジャニー氏の性行為について事実確認がなされ結審しています。

 すなわち、50年以上(旧統一教会ジャニー喜多川氏は2019年に死去)にわたって、少年達を性玩具として扱ってきました。

 ジャニーズ事務所は、芸能界の雄であり、これまでキラ星のごとく少年達のアイドルを排出してきましたし、今も芸能界の真ん中に居続けています。

 夢を追って事務所に入ってきた少年達を、自らの性欲を押さえずに歯牙にかけて、その将来を潰してきたことは、芸能界への貢献とは別に糾弾されなければならない問題です。

 英国のBBCは、この問題について番組を編成して告発しましたが、日本では、大きな事にはなりませんでした。無論、マスコミもテレビ局も見て見ぬふりです。

 米国の映画界では、プロデューサーにセクハラをされた女優が、勇気を持って告発したことをきっかけに「#METOO運動」が起こり、当該のプロデューサーは映画界を去ることになりました。

 今回の事をきっかけに、「芸能界だから良くある事」などと片付けづず、被害者救済を行うことと、再発防止のための自助努力が必要です。

 果たして芸能界は、そしてマスコミはこの問題をどこまで正常化できるのでしょうか。


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