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トランプ氏とブレーン(ブログ3839)

  • 2025年02月18日

 トランプ氏が就任してからほぼ1ヶ月になろうとしています。

 たったの1ヶ月で、世界はトランプ氏の言動に翻弄され、米国民もアメリカが何処に行こうとしているのかという不安を抱いているのでは無いかと思います。

 そのトランプ氏のブレーンもまた、同じように好き勝手な発言をして諸外国に嫌われています。バンス副大統領は、ミュンヘン安全保障会議の場において、欧州における偽情報やヘイトスピーチへの規制を「言論の自由への弾圧」と非難し、ドイツの総選挙に対して、移民排斥を主張する極右の政党を実質的に支持することを表明したり、というように勝手な主張ばかり前面に出し、同盟国との結束よりも軋轢を生み出しています。

 欧州連合はこぞって米国に対して嫌悪感をあらわにし、外交の場が非難の応酬の場になった感がします。

 一方、国内ではイーロン・マスク氏がこれまたやりたい放題で、トランプ氏から政府効率化(DOGE)特別顧問として、議会の了解を得ないままに政府機関に強引な介入を行っています。そして連邦支出を2兆ドル(約300兆円=日本の年間予算の約3倍)を削減するプロジェクトを推し進めています。

 DOGEチームは既に年間5兆ドル(約760兆円)以上を管理する財務省の支払いシステムへのアクセス権を獲得した他、開発途上国支援の中心である「米国際開発庁(USAID)」のほぼ全職員の一斉帰休を指示、連邦政府の不動産管理と調達業務を担う総務管理局も同様の事態が発生、諜報機関のCIAでは対象職員に9月までの退職プログラムが用意され、教育省では独立研究契約約89件を打ち切り、消費者金融保護局でも全職員の業務禁止命令とワシントン事務所の閉鎖が行われています。

 そして、このような大なたを振るっているのが、19歳から24歳というIT・AIの若手エンジニア達で、DOGEには6人が配属されています。

 つまり、IT産業の手法で行政を簡素化していること、そして、民間企業従事者にすぎなかった若い方々が、ほぼ全ての政府情報にアクセスできる権限を手中に収めAIを屈指していること、これらは非常に危険なことであり、米国の運命をも変えてしまうことになる可能性が大きいものと思います。

 全ての情報を解析してAIが政治を行うということが、米国で始まろうとしています。

 そこには、人間が考えたバランスや配慮などが入り込む隙が無く、全てが効率という目的で進められる国家であり、情報で得られた外交や内政がAIの判断で決まるのです。

 トランプ氏とそのブレーンによって世界は破滅に引きずり込まれるかもしれません。


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