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ニューヨーク視察(ブログ3670)

  • 2024年08月28日

 知事が半導体の現在値を探るためにニューヨークを訪米して帰国しました。

 かなり以前はITといえばシリコンバレーでしたが、今は半導体といえばニューヨークという事なのでしょうか。

 ラピダスは多くの技術者を同州の「オールバニ・ナノテク・コンプレックス」に派遣し、技術的に先行しているIBMと共同で量産技術の確立に取り組んでいることが報道されました。そして、鈴木知事は半導体産業の集積地であるニューヨーク州、さらに半導体に関わる複合施設を運営する非営利団体「ニューヨーク・クリエイツ」との協力に関する協定書を、北大は半導体研究に取り組む「レンセラー工科大学」と人材育成に関して提携を結びました。

 鈴木知事にとって今回の訪米は、自身が描く半導体を核とした「IT産業の集積地・北海道」の実現に向けて大きな成果だったと思います。

 今後はこの視察の成果を具体的な形として示すための、壮大な「絵(計画)」を描かなければなりません。ラピダスに関わる半導体関連の企業の誘致、それに見合う広大な土地の確保、インフラの整備、技術者の居住対策、併せて教育機関や医療機関などの環境整備、使用する電源の確保、給水や排水等、様々な受け入れ体制を整えなければならず、それらを推進するリーダーとなる覚悟を持たなければ、壮大な計画は「画餅」となってしまいかねません。

 当然、この構想の実現には様々な企業の投資が必要ですが、今の段階ではソニーやトヨタなど約73億円の民間投資しかなく、莫大な資金に対する金融機関などの融資について、政府がその保証人になるという前代未聞の策を打ち上げましたが、と言うことは、融資に対して慎重にならないで欲しいという政府の願いであり、逆に言えば、金融機関はまだまだこの構想について「信用する」というところまで行っていないと言うことなのかもしれません。

 既に政府は9000億円以上を投入し、今後5年間で5兆円を民間企業であるラピダスにつぎ込むこととしています。

 以前のブログでも掲載しましたが、北大におられる台湾からの研究員の方の話では、TSMCは毎年5兆円規模の設備投資をしているとい現実。そして、様々な先進企業と技術提携をしても、結局それらの企業・研究機関は競争相手であることを考えると、いずれ自立した半導体企業として世界と渡り合う力を付けなければ、敗者となってしまいます。

 鈴木知事は、今後、具体的にどのような形で行政としてこの半導体集積に関わるのか、道民にもしっかりと可視化して欲しいものだと思います。


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